過酷な撮影
『王の涙 イ・サンの決断』は朝鮮王朝の22代王・正祖(チョンジョ)を描いている。ヒョンビンは、朝鮮王朝の正式な歴史書『朝鮮王朝実録』に出てくる正祖の記述をとても詳しく読み込んだ。そのうえで、ヒョンビンはどんな正祖になりきろうとしたのか。
「脚本を何度も読むと、正祖は自分の命を守るために、苦しい環境の中で鍛練を続け、すさまじい生き方をしたのではないかと考えました。それで、からだを鍛えました。トレーニングと撮影を一緒に行なったので1日3時間しか眠れませんでしたし、からだを絞るために食事も制限しました」
このように、ヒョンビンが極限まで挑むことができたのはなぜなのか。
「とても過酷な撮影でしたが、兵役中にずっと演技をしたいと渇望していたので、最後までやり遂げることができました」
こうしてヒョンビンは全身全霊を傾けて演技に没頭した。
『愛の不時着』でヒョンビンの魅力を痛感した人は、ぜひ『王の涙 イ・サンの決断』を見ていただきたい。彼の真価を堪能できる最高の作品だ。
文=康熙奉(カン・ヒボン)