【時代劇が面白い】世子はどのような経緯を経て国王になっていくのか

国王の長男は普通、生まれたあとに元子(ウォンジャ)という世子(セジャ)の筆頭候補になる。元子のために特別な組織が作られ、元子は大事に育てられる。その元子が成長して特に問題がなければ、5歳以降に世子に指名された。

世子嬪を選ぶ行事
世子は正式な王位継承者なので、ふさわしい処遇を受ける。
象徴的なのは服装だ。韓流時代劇でもよく見られる七章服(七つの紋様が刺繍されている世子の正服)を着る。そして、自身で官僚と護衛兵を率いる。
世子は王宮の東側に住んだので東宮(トングン)とも呼ばれた。東側は太陽が昇ってくる位置で未来の国王にふさわしい。
将来に向けて徹底した英才教育を受けた世子は、10歳過ぎに結婚するのが通例であった。庶民は10代後半に結婚するのが一般的だったので、世子の婚礼は早かった。国王がいつ亡くなって世子が後を継ぐともかぎらないので、早めに家庭を持っておく必要があったのだ。
そんな世子の妻は世子嬪(セジャビン)と呼ばれた。
この世子嬪を選ぶ行事が揀擇(カンテク)だ。
これを行なう前に、両班(ヤンバン/貴族階級)に婚姻禁止令が出た。上流階級のすべての結婚適齢期の女性が揀擇の対象になるからだ。

王家では、両班から出された未婚女性の身上書を吟味した。そこで選ばれた女性が数々の審査に臨み、最終候補者が国王の前で面接審査を受けて世子嬪が選ばれた。
美貌と教養が優れていることが世子嬪の条件であったが、同じように家柄も重要視された。やはり、伝統的な名門の家から世子嬪が多く出ていた。
夫婦となった世子と世子嬪は、王家のしきたりを順守し、それぞれに英才教育を受けて国王夫妻になる日に備えたのであった。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
提供:ヨブル
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2020.11.05