◆劇中、イ・グムの人生でのターニングポイントが何度かありますが、 特に演じ甲斐があった場面・エピソードは?
チョン・イル:演じ甲斐があったというよりかは、イ・グムという人物は本当に波乱万丈な人生を送ってきたんだなと思いました。弟や兄、父親など家族全員が死んでしまうんです。僕が信じて頼れる場所があるのだろうか。状況を理解して、そういった立場が、王になってから政策を掲げる土台になるんだと思います。そういう経験をしたから、他人を理解して配慮する気持ちを持つようになったんだと思います。イ・グムは、本当に難しくて苦労も多かったキャラクターでしたが、無事演じ切ることができてよかったです。
イ・グムが王様らしかったシーンはたくさんあって…他の人がNOと言うとき、YESと言える人がイ・グムでした。自分の観念や考えをはっきりと推し進めることができる、自信に溢れたカッコいい人物が延礽君(ヨニングン)/英祖(ヨンジョ)なんだと思います。両班たちを前にしても堂々としていたし、民たちを理解して説得する時も、イ・グムという人物はカッコいい人物だと改めて感じさせられました。こういう王がいれば、本当に幸せだと思います。
◆名場面がたくさんありました(イ・フォンが殺害され、王様が亡くなった時の号泣、試練を越えて世弟になったときの嬉し泣き、両班は民のおかげで生きているのだと熱弁、殺主の女の子をかばう場面)。特に印象に残る名場面と現場のエピソードをぜひ教えてください。集中力が必要な場面だったと思いますが、どのように進行されたのでしょうか?
チョン・イル:イ・グムにとっては民たちや助けてくれる人たち、僕にとっては現場で僕のために一緒に撮影してくれるスタッフがいなかったら、僕もいなかったと思います。でも、多くの人がそういったことを認めずに、自分が優れているからと思い込んでいます。イ・グムはそれらに対する感謝を忘れず、そして両班たちに「今この場にいられるのは、民たちのおかげだ」と言います。正直、簡単には言えないことを、ズバッと口に出す姿がとても印象的でした。
特にこのドラマには、感情シーンがたくさんありました。でも何の計算もせず、そのシチュエーションに入り込んで演技をすることにしたんです。僕が軍隊に入隊する前は、大事なシーンや感情シーンの時、どういう風に演じるのかをあらかじめ、ある程度考えてから現場で演じていました。しかし今回は、リハーサルで感じた感情そのままで演技をしたので、その時に感じた思いや本心がうまく表現された気がします。視聴者の方の心に響くシーンをお見せできたと思っています。
◆劇中イ・グムは様々な試練にあいますが、その対処法は現代の私たちにも参考になると思います。イ・グム視点での試練対処法をいくつか教えて頂けますか?
チョン・イル:僕たちは、人によって傷ついたり、逆に人によって癒されたりしますよね。イ・グムは、一人でそういったことに耐えてきましたが、周りにいたタルムンやムンス、ヨジがいたからこそイ・グムがぶれずに信念を通せたのだと思います。ドラマの撮影のときも、僕一人が頑張ればいいわけではないですしね。たくさんの役者と呼吸を合わせて初めて、その演技が輝くんだと思います。そういうとこだと思います。
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