2種類の否定形
康「『テヨ』は応用範囲が広いね」
ウィ「『アン』(안)は否定形を作ります。韓国語の否定形の作り方には2種類あって、まず1つ目が『アンデヨ』です」
康「つまり、『テヨ』の前に『アン』を付けることですね」
ウィ「これで否定形になります」
康「これは、英語で言えばNOTだよね」
ウィ「NOTですね。それから、否定形のもう1つは、動詞の前に『モッ』(못)を入れます。たとえば、食事のときに『もっと食べて』と言われて食べられなかったら『モンモゴヨ』(못 먹어요)と言います。『モゴヨ』(먹어요)というのは『食べる』なのですが、これ以上食べることができないというときは、『モゴヨ』の前に『モッ』を付ける。英語で言えば『CAN NOT』です。この『モッ』という言葉のパッチムが固い音で終わるので、次に子音が来たときは発音しやすいように、『モッ』の言葉が『モン』に変化します。これは鼻音化と言われています」
康「とにかく韓国語は発音しやすいように子音の発音が変化することがありますね。つまり、『モッ』は『できない』という意味の副詞ですが、本来の『モッ』が『モン』に変わることも一応頭に入れておきましょう」
講師=ウィ・ソンジュン+康熙奉
(写真右)ウィ・ソンジュン(魏聖銓)
1968年ソウル生まれ。1992年に来日し、学習院大学で日本語日本文学博士を取得。現在は法政大学をはじめ、多くの大学で韓国語を教えている。著書は『New!韓国語&会話』(右文書院)など。コラムニストとして日韓の文化の違いについても論じている。
(写真左)康熙奉(カン・ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人2世。韓国の歴史・大衆文化や日韓関係を描いた著書が多数。主な著書は『ヒボン式かんたんハングル』『韓流スターと兵役』『韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の歴史と人物』。