「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.76「朝鮮王朝王家の少子化」

右に見えるのが「子だくさん」の国王であった世宗の像で奥が景福宮

韓国の2018年の合計特殊出生率(15歳から49歳までの女性が産む子供の数)は、1を割り込んで0.98まで下がった。世界で一番低い数字だと言われている。極端な少子化社会になった韓国。その事情は朝鮮王朝後期の王家でも同じだった。

国王の子供の数はどう変わったか

朝鮮王朝の国王にはどれほどの子供がいたのであろうか。
その数を調べてみよう。
朝鮮王朝の歴史では16代王・仁祖(インジョ)までを前期、それ以後を後期と分けることが慣例になっているが、それを適用してみると、朝鮮王朝前期には国王の子供が187人いたのに対し、後期には48人しかいなかった。

前期は1392年から1649年までの257年間で、後期は1649年から1910年までの261年間だ。ほぼ年数は同じである。
それなのに、国王の子供の数は、「187対48」である。
あまりにも違いすぎる。
どこに原因があったのか。
一つは、後期には側室の人数が減ったことが響いている。
歴代王の子供の数は、正室から81人が生まれ、側室から154人生まれている。要するに、側室が正室の2倍近くの子供を産んでいるのだが、歴代王が抱える側室の数は前期には7~9人が普通だったのに、後期には平均で3人くらいになっていた。これだけ側室が少なくなると、必然的に生まれる子供の数も減ってしまう。
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2019.06.22