激しい曲が続いた後は、クールダウンのアコースティックセットに。「インディーズ時代の曲をどうやって聴かせればいいか悩んだ」と話し出すミンファン。「それで季節に分けた曲をやるブロックを作りました。日本では春・梅雨・夏だけど、韓国では夏の後に梅雨がくる。それを知らなくて、韓国の順番になっています」とスンヒョンが補足。スンヒョンのアコースティックギターをバックにジェジンが春のイメージのバラード曲「soyogi」をソロで歌い出すと、そこにベースを重ね、スンヒョンにボーカルをバトンタッチ。サビでホンギのボーカルとミンファンのカホンが重なり美しいハーモニーを響かせる。
夏のイメージの「Brand-new days」は、ホンギと会場のファンが交互にボーカルを執る。ツアー初日の豊洲PIT公演から、このスタイルを続けてきたが、アレンジで原曲と入りのタイミングが変わっていて、ポイントをそろえるのに苦戦していた曲だ。しかしファイナルでついに大成功して、ホンギも満面の笑顔で客席にサムズアップを送った。梅雨を彩る「Raining」は、ミンファンのボーカルからスタートし、ファンも一緒に歌声を重ねてゆく。サビをファンに歌わせ、ホンギがハーモニーを乗せる。
「みんなの歌に重ねるのすごく好き。初日から比べると、どんどん上手くなっている」とファンを褒めたが、FTISLANDはメインボーカルのホンギだけが歌うのではなく、ジェジン、スンヒョン、ミンファン、メンバー全員がボーカルを執る。そしてそこにファンの歌が加わり、その場にいる全員で曲を完成させていく一体感が魅力なのだ。時に激しく、時に優しく、パワーで押すだけではなく多彩な表情で曲を作り上げていく。今回のツアーでは、特にこういう場面が多く、ファンのシングアロングを優しい瞳でみつめるホンギの顔が心に残った。
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