「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.69「連休に改めて見たいドラマ」

長い連休といえば、連続してドラマを見るのにちょうどいい。「何を見ようかな?」と考えて頭に浮かんだのが『応答せよ1997』だった。何度見ても、このドラマは飽きないし、新しい発見がある。

究極のテーマは?

『応答せよ1997』は、釜山(プサン)の高校に通う6人の同級生たちの1997年当時を中心的に描いている。その一方で、この高校の同窓会が2012年にソウルで開かれる。そして、1997年と2012年という2つの時代が同時進行のような形で展開されていく。高校生たちが15年後にどう変わったのか、ということが興味深く対比されている。
特に、初恋の行方が気になる。意味深なのは、2012年の同窓会の中で『今日、1組のカップルが結婚を発表する』みたいなことが説明される。いろんなカップルがいる中で、果たして誰が結婚に至るのか。そんな興味を持ちながら順に各回を見ていける。

韓国ドラマは、荒唐無稽で突拍子もないストーリーというのが面白さの秘訣ではあるが、『応答せよ1997』はどこにでも起こりうる身近な出来事が描かれていて、荒唐無稽なところはない。しかし、登場人物に多様性があって、出てくるキャラクターに引き込まれる。
究極のテーマは「初恋」である。
初恋をめぐる男女の繊細な心の動きが細かく描かれる。初恋というと『冬のソナタ』もそうだが、見ている人たちが心地よくドキドキさせられる。
さらに、物語がとても重層的。高校生の男女の初恋が中心とはいえ、そこにからんでくる人たちがいい。特に、チョン・ウンジが演じる女子高生シウォンの両親がひんぱんに出てくる。シウォンはアイドルの追っかけで、それを父親がすごく嫌っていて、シウォンの部屋に貼ってあるポスターを破いたり、シウォンがソウルまで追っかけをしたことを怒って娘の髪を切ったりする。ドラマの中では父と娘がいがみあっているが、結局は親子の情愛がうまく描かれていてホロリとさせられる。

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2019.05.04