こうした準備の末、旅立ったのはアルゼンチンの南端に位置するウシュアイア。ムン・グニョン、キム・ヘソン、エリック・ナムは紆余曲折を経て55時間かけてやっとペンギンに会うことができた。まるで歓迎のあいさつをするかのように、ヨチヨチと歩くペンギンに、ムン・グニョンは「実際に見たら、もっと小さくてかわいい生命体だった」と感嘆し、愛らしい笑みを浮かべた。
しかし探査をすればするほど、ムン・グニョンやクルーは挫折を味わった。準備したのは無意味だったかと思うほど、現場の環境は思ったよりも良くなかった。方向性を決めることから始め、何を撮るべきか、ただ先が見えない状況だった。ムン・グニョンは一人で悩み、涙を見せた。初めての演出家として、リーダーとして、抱えていたプレッシャーや不安があふれ出てしまった。
それでもムン・グニョンはペンギンの日常から特別な意味を見つけたいという願いをこめ、今回のドキュメンタリーのテーマに対する意志を明らかにした。この日カメラの前でいつも以上に正直で、人間的な顔を見せたムン・グニョンが、自分なりのドキュメンタリーの道を見つけられるのか、関心が高まっている。
「動物の私生活」は毎週金曜日の午後8時55分から韓国KBSで放送されている。