韓国では2017年に合計特殊出生率(15歳から49歳までの女性が産む子どもの数)が1.05となった。これは衝撃的な統計だった。ちなみに日本は1.43だ。人口を維持するためには合計特殊出生率が2.07は必要だと言われているが、その半分の水準まで韓国は下がってしまった。
数々の社会的要因があるが……
なぜ、韓国で合計特殊出生率が1.05まで下がってしまったのか。
様々な要因が取り沙汰されている。
まずは晩婚化。女性の初婚年齢の平均が30歳前後となり、子どもを産む年齢の幅が狭くなったこと。
次に、経済的な理由。若年層の失業率が高いうえに、住宅価格が上昇し、子どもを産んで育てる余裕がなくなっている人が多いこと。
さらには、世相の影響。2017年の韓国社会は朴槿恵(パク・クネ)政権の崩壊や北朝鮮の挑発があり、社会的な不安感が出産を躊躇させた、ということ。
実際、極端な少子化になっている現実を社会的に分析すれば理由をいくつも挙げられるが、もっと根本的な問題がある。
それは、女性の社会進出が活発になっている一方で、子どもを出産して育てる環境の整備が追いついていないということだ。
さらに言えば、男尊女卑の傾向が強かった儒教的な価値観が未だに現在の韓国を縛っているとも言える。
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