「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.46「カムジャタンの誘惑」

チャカン食堂の外観

鍋物王国

カムジャタンという韓国語は、「カムジャ」がジャガイモで、「タン」はスープの意味だ。ただし、カムジャタンはスープというより鍋なので、象徴的に言えば「ジャガイモと豚の背骨をぐつぐつと煮込んだ鍋」と表現することができるだろう。
とにかく、この組み合わせは絶妙である。豚の背骨についている肉は、本当に味が濃厚で柔らかい。また、ジャガイモは鍋の中でほどよく煮込まれ、口の中でふわっと広がっていくほど旨い。
韓国に行くとよくわかるが、韓国の人たちは本当に鍋が好きで、少しでも寒くなってくると繁華街のそこら中から鍋の湯気があがっている。
まさに、鍋物王国なのである。

それだけに、数多くの美味しい鍋料理があるが、やはりカムジャタンは私の中では別格である。
その本場の味を新大久保でたっぷり口にできるのだから嬉しい。
チャカン食堂のカムジャタン。この店にも足しげく通うことになりそうだ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2018.11.24