韓国でよくある光景の1つ……電車やバスで座っている人が、目の前に立っている人の荷物をいきなり取ってひざの上に置くことがあります。本当に素早い動きなのですが、座っている人がそういう行動に出る真意は?
相互扶助の精神
電車やバスの中で荷物を持って立っていると、目の前に座っている人がいきなりその荷物をつかんで自分のひざの上に置くというこの行為……初めて体験する人にとっては、「ひったくり?」と勘違いしてしまいそうですが、少しでも荷物を持っている人の負担を減らしてあげようという良心によるものです。
儒教の考え方が生活の隅々に浸透している韓国では、相互扶助の精神をとても大切にしています。
これは主に親族の間で互いに助け合うという意味合いが強いのですが、高齢者、女性、子ども、弱者に対しても親切心が働きます。この相互扶助の精神が、立っている人の荷物を持ってあげるという行為に表れています。
ちなみにバスの場合は、単なる善意だけでなく、「相手の身を考えて」という切実な面もあります。
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