「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.22「映画『1987』が描く民主化」

名優たちの競演

キャストもすばらしい。
民主化を取り締まる公安の悪玉であるパク所長がキム・ユンソク、そのパク所長に逆らうチェ検事がハ・ジョンウ、民主化闘争に加担する刑務所の看守ビョンヨンがユ・ヘジン、民主化闘争の先頭に立つ大学生ハニョルがカン・ドンウォン、そして、民主運動家ジョンナムがソル・ギョング。
これだけの大物俳優が集結するということだけでも、大いに期待が膨らむ。
振り返ってみれば、1980年代の韓国は激動の連続だった。
1980年の光州事件、1987年の民主化抗争、そして、1988年のソウル五輪……。日本がバブルに沸いていた時期に、韓国では多くの若者たちが命をかけて民主化抗争に加わっていた。

そんな熱い時代の人々を名優たちがドラマチックに演じられるところに、韓国映画界の強みがある。
今後も現代史を舞台にした名作が次々に作られることだろう。
なお、映画『1987』は、9月に日本で公開される予定だ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2018.06.02