「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.18「大韓航空の危機」

かつての「ナッツ姫」に続いて、今度は「水かけ姫」の騒動が韓国で起こっている。2人の姉妹は、大韓航空を主力企業とする韓進(ハンジン)グループの財閥一族である。この一族には次々と問題が起きて、「最悪の一家」と呼ばれてきた。

普段から横柄

韓国では、注目される人物が検察に出頭するときは建物の前で一時立ち止まって、集まっている取材陣に対応するのが一般的だ。そのときに、神妙な顔つきで謝罪する人もいれば、何も語らずに沈黙する人もいる。
ただ、このときの映像はニュースを通じて韓国中に知れわたるので、いかにも「誠実に検察の取り調べに対応します」という姿勢を示さなければいけない。
ときには、演出がかった態度を取る人もいる。たとえば、2014年12月に客室乗務員のナッツの出し方が悪いと激怒して飛行機を引き返させた「ナッツ・リターン事件」の趙(チョ)ヒョナがそうだった。

彼女は「ナッツ姫」と呼ばれたが、当時は大韓航空の副社長だった。国民の批判にさらされ、検察に出頭したときはやつれきった表情で何度も謝罪を述べていた。
同じような場面がまた繰り返された。今度は、趙ヒョナの妹の趙ヒョンミンが当事者である。
彼女は大韓航空の専務であったのだが、広告代理店の社員の対応に激怒してコップを投げつけて罵声を浴びせ、飲み物をまき散らしたと言われている。
普段から横柄な態度で知られており、国民感情を逆なですることが多かった。それなのに、さらに極端なパワハラが表面に出てきた。
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2018.05.05