国防意識を高めるための制度
現在の韓国軍は総勢が60万人を超えているが、国防省は段階的に10万人近くの兵力を削減する計画である。このように、韓国軍でも兵力が余っているのだ。
それもそのはずだ。現代の戦争は、ハイテク武器を使ったピンポイント戦略が主流になっていて、昔のようにたくさんの歩兵が必要というわけではない。
そういう意味では、兵力の数を競うような国防は重要度が低下しており、韓国軍が兵力をかなり減らすというのは、現実に即した対応である。
それでも、徴兵制はなくせない。なぜならば、国防意識を高めるために必要な制度だと多くの韓国人が考えているからだ。
結局、韓国から徴兵制がなくなるのは、分断国家が解消されて朝鮮半島が統一されたときになるのだろう。それまでは、どんなに韓国軍の兵力が余っていたとしても、徴兵制を廃止するという議論にはならない。
かくして、芸能界でも人気絶頂なスターたちが兵役の延期が難しくなってくると、あわただしく入隊していく。日本の芸能界では想像もできないことなのだが、韓国の芸能界ではごく当然のこと。玄界灘をはさんで、日韓の社会はここまで違う。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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写真=韓国陸軍公式サイトより