「コラム」連載「康煕奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流」Vol2ペ・ヨンジュン「10年の空白」

2007年12月、撮影で満身創痍となったペ・ヨンジュンは『太王四神記』の最後の撮影に臨んだ。終了後、彼はキム・ジョンハク監督と抱き合い、その感動をあらわにした。
あれから10年の歳月が流れた。ペ・ヨンジュンの心に去来するものは?

予想外の出来事

「10年ひと昔」とよく言うが、ペ・ヨンジュンに関して語ろうとすると、本当に「ひと昔」と思わざるをえない。
『冬のソナタ』で日本でも爆発的な人気を得たペ・ヨンジュンは、2005年にさいたまスーパーアリーナで開催したファンイベントで、「あと10年は俳優として全力を尽くし、将来は演出をしたみたい」と語った。
その言葉のとおり、ペ・ヨンジュンはすぐに『太王四神記』の主演を決め、スケールの大きな大作で俳優魂を存分に発揮して過酷な撮影を乗り切った。

2007年の暮れのMBC演技大賞では主要な賞を独占し、キム・ジョンハク監督との間で『太王四神記』の続編を作りたいという意欲まで見せていた。
しかし、俳優としてのキャリアはその『太王四神記』で止まったままだ。
自らプロデュースした『ドリームハイ』に特別出演して数話に顔を出しただけで、他にこの10年の演技キャリアはない。
この現実をファンはどのように受け止めてきたのだろうか。
経営者としては大成功したと言っていい。自ら芸能事務所と制作会社を起こし、芸能界の長者番付の上位に名を連ねてきた。俳優だけでなく、経営のセンスも秀でていたことは間違いない。

けれど、2005年の段階で「あと10年は俳優として全力を尽くす」と約束したことはどうなったのか。

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2017.12.30