「コラム」日本と違う韓国のビックリ/第27回/並ぶのは時間の無駄という考え方

並んでまで食べたくない

映画のエンドロールにおける日韓の違い。習慣が異なるのは確かだが、やはり韓国の人のほうがせっかちだ。

なにしろ、韓国で一番使われる言葉が「パルリ(速く)」ではないか、と言われるほどである。

食堂でも、「パルリ」と叫んでいる人をよく見かける。注文したものが来ないのはわかるが、たいていはまだ5分も待っていない。よほど待つことが苦手なのだろう。

私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)の事務所は神田神保町にあるが、昼どきに長蛇の列を作っている食堂が4つある。讃岐うどん、やきそば、ラーメン、焼肉の店である。実際に数えたら、やきそばの店は炎天下に70人が並んでいた。

行列の多さを見た韓国人はかならず驚く。

「うどんや焼きそばを食べるのに、あんなに並ぶんですか。韓国では考えられない」

そうなのである。私も韓国で、長蛇の列をつくっている食堂を見た記憶がない。


帰省ラッシュのときに超満員の列車に乗るためとか、大好きなスターのコンサートを見たためとか、特別な理由で行列ができることはあるが、食堂に並ぶのは時間の無駄と考える韓国人は多い。

そのワケは?

「だって、食堂は他にいくらでもあるでしょ。並ぶ理由がない」

韓国ではその通りである。

しかし、日本では違う。

「好きな店に入るためなら、いくらでも待つ」

行列に慣れた人たちは同じように、映画のエンドロールも最後まで見るのである。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
提供:ロコレhttp://syukakusha.com/

 

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