パク・ボゴムとキム・ユジョンが主演して大人気となった時代劇『雲が描いた月明かり』の歴史背景を解説するシリーズの第2回目。今回は、主人公となっているイ・ヨンの性格や生き方について見ていこう。
イ・サンに似ていた孫
1809年に生まれた孝明世子(ヒョミョンセジャ)が、『雲が描いた月明かり』のイ・ヨンのモデルとなっている。
彼は23代王・純祖(スンジョ)の長男であった。
しかし、孝明世子の性格や素質は、祖父である22代王・正祖(チョンジョ)によく似ていたと言われている。正祖といえば、時代劇『イ・サン』でも有名な朝鮮王朝後期を代表する名君である。
この正祖は、派閥争いの弊害から常に暗殺の危機に陥っていて、夜中に急襲されることを恐れて、寝ないで本を読んでいた。だからこそ、正祖は大変な博学になり、学者顔負けなほど豊富な知識を持つに至ったのだ。
正祖の息子として1800年に即位したのが純祖であるが、彼は気が弱くて、政治の主導権を正室・純元(スヌォン)王后の外戚である安東金氏(アンドン・キムシ)に握られてしまった。
結局、在位中に政治的な業績を残せないまま1834年に亡くなってしまったのだが、孝明世子は父親の純祖よりも祖父の正祖から才能を受け継いだようだ。(ページ2に続く)