俳優としてもアーティストとしても絶大な人気を誇るノ・ミヌが、5月25日(日)、東京・六本木、GRAND HYATT TOKYOにて「“NO MIN WOO”Birthday Special Party」を昼夜2回開催。昼はAfternoon Party、夜はDinner Partyと題し、5月29日の自身の28歳の誕生日を前に、ファンとともに幸せな時間を過ごした。
取材に訪れたのはAfternoon Party。ボールルームには着物姿や色鮮やかなドレス、チマチョゴリなど、美しく華やかな装いの患者たち(=ノ・ミヌのファン)が集まり、ラグジュアリーなホテルでの食事を楽しんだ。テーブル毎に愛しのノ・ミヌの話にひとしきり花が咲いたところで、照明が消え、ボールルームの扉が開くと、淡いブルーのロングジャケット姿でノ・ミヌが登場!会場の患者たちからは黄色い歓声があがった。
ノ・ミヌはX JAPANのYOSHIKIプロデュースとしても話題となったロックバンド「TRAX」のドラマーとして芸能界デビュー。2006年「TRAX」脱退後、音楽プロデュースをする傍ら俳優としての道を歩み始め、2010年に出演したドラマ「パスタ」で俳優としても注目を集める。その後は、日本でも話題となったドラマ「僕の彼女は九尾狐」や「フルハウス TAKE2」などに出演し、俳優としての確固たる地位を獲得。また、昨年7月1日には、“ICON”という名で初のシングルアルバムを発表する等、多岐に渡る活躍をしている。
「Happy Birthday to You」の伴奏が流れると、患者たちが「Happy Birthday Dear MIN WOO〜」と歌をプレゼント。ノ・ミヌはうれしそうに会場を見渡しながらステージに向かい、28本のロウソクが灯ったバースデーケーキの炎を吹き消した。そして「Happy Hospital」をファンが歌うと、その様子を愛しそうに眺め、小さくファンに拍手をすると、グランドピアノから静かにメロディを奏で始めた。バイオリンとチェロの演奏も加わり、「大切なあなたへ」。うっとりと聴き入る患者たち。会場は心地よい静寂に包まれた。
「こんにちは、ノ・ミヌです。日本で朝からこんなに幸せな1日を、毎日を生きていることが夢みたいです。患者たちとアイコンタクトして、この席に座って、そして“ミヌおめでとう”と言ってもらえる瞬間が夢みたい。何年か前からしたかったことがこうして叶ったから、無意識のエネルギーってすごいと思う。すごく幸せです。ありがとう」と感激した様子を見せた。
「僕は28歳…おめでとうという感じじゃないじゃん(笑)?」と戸惑いも見せるが、患者からは「おめでとう〜!」と次々を声がかかり、お祝いの拍手が沸き起こった。
前日に雑誌や番組の撮影で、渋谷や広尾の街を歩いたというノ・ミヌ。10年前に住んでいた頃と変わらないビルやお店があり、懐かしく思い出したという。
「10年前と今と何か違いがあるかと聞かれて考えてみたんだけど、あんまり変わっていないと思う。でも、思ったより僕は心配するタイプで、昔から自分の足りない部分が嫌な性格だったから、そこを完ぺきにしようと努力しながら生きてきたんです。音楽をもっととか、演技が上手じゃないから演技をもっと完ぺきにしようとか。でも今考えてみると、そんなに心配しなくていいかなって。ちょっと心配しすぎだったから、そこが今は変わった。僕が思っているよりも普通にしたら、僕の演技を見た監督さんや患者の皆さんが、これはいいと言ってくれた。感動させたいと考えたら全く感動させられなかったのに」と、患者たちを前に飾らない言葉で心境を吐露した。
「患者たちに優しくしてあげたいという気持ちがあっても、愛がオーバーになったら、僕、飽きられちゃうじゃん。だから最近ちょっとツンツンしようかなと思ってる(笑)。少しずつ愛をあげようかなと思って」と、ファンをヤキモキさせる場面も。
前日の番組撮影の秘話も暴露。番組中にシャンパンを飲み、「キスの仕方とか披露しすぎちゃってやばいなーと思ったから、番組が終わって作家さんに『すいません、僕、今日酔っぱらっちゃって』って言ったら、『これ、ノンアルコールですよ』って言われました(笑)」とのオチに大爆笑する患者たち。「でも僕本当に酔っぱらったから!」とお茶目な顔を覗かせた。
「チャンスがなかったときに、どうしたらチャンスが来るのか考えた。ミヌは音楽だけでいいじゃない、演技はしなくていいじゃないと先輩に言われたけど、僕は人の話を聞かない性格だったからよかった(笑)。これからもきっと苦労する部分もあるし、幸せな部分もあると思うけど、患者と僕を守りながら夢のために走ります」と静かに語ると、患者たちは大きな拍手でミヌに声援を送った。
「今日会えてよかったという考えになってもらうために、僕がちょっと無理をしながら(患者たちに)何かしてあげるね。だからここに来ました、DISCOさん!」と、DJのDISCOを紹介すると、いつものRockテイストのライブとは違ったノ・ミヌのアーティストとしての豊かな才能が溢れだす。ピアノとDJサウンド、そしてバイオリンとチェロの弦楽器の音色が重なり、アーバンな雰囲気のサウンドでファンをますます魅了した。
MCにyumiが登場し、トーク&ゲームコーナー。ファンからのHappy Birthdayを聞いて「幸せでボロボロになっちゃいました」と改めてうれしそうに語る。
“あなたはミヌにどれだけ首ったけ?”というゲームのコーナーでは、質問に当てはまったファンだけが勝ち残っていくというゲームに、会場は大いに盛り上がった。『携帯の待ち受けがミヌの人』という質問には、多くの人がミヌを待ち受けにしているという中、席を座った少数の患者に対して「ちょっと僕の目を見て!なんで下向いているんだよ〜(笑)」と可愛く抗議。続く『携帯の着信音がミヌの人』では、まさかの大人数が席に座ることに。それを見ていたミヌは「ちょっと待って!ちょっと嘘ついてよー!」とさらに抗議。「僕、ちょっとパニック状態です。僕の患者たち、心が優しくて嘘つかないから、正直だからエライこと、いや、エロいこと、ですけど…(ブブーとNG音が入る)」。続く質問は『今までリリースしたCDを今日持っている人』。ここでなんと正解者がゼロになってしまうという想定外のハプニングに「今日はお疲れ、お疲れさまでした!」とミヌは動揺を隠せない。予想していない事態に、「もうボロボロ。僕の誕生日パーティーですよね…」と嘆きながらも、再度仕切り直してファンが選ばれ、最後は“あいこ”が勝ちのジャンケン大会。見事に勝ち残ったラッキーなファンが選ばれると、ノ・ミヌが選ばれた患者の元へ行き、サイン入りのCDや色紙を手渡して2ショットチェキの撮影。患者の手の甲にそっとキスをすると、周りの患者たちからは大きな悲鳴のような歓声があがった。
ゲームで会場がホットになったところで、再びアーティスト、ノ・ミヌの音楽の世界へ。ピアノの前に座り、「ピュアだった中高生の頃に戻って感じてみましょう」と後半のステージがスタート。優しく静かに紡ぎだされる美しいピアノの旋律に再び酔いしれる。
ノ・ミヌが主演し、韓国・中国のスーパースターが競演したドラマ「愛の有効期限」の映像がスクリーンに映し出されると、俳優としてだけではなく、音楽監督も務めた作品について紹介。「ドラマの作家さんが『僕の彼女は九尾狐』を見て気になってくれたらしく、音楽ができるという僕のプロフィールを知って、上海で会ったときに僕が作った曲を聞きたいと言われて。それで曲を送ったら一緒にやってみましょう」と、音楽監督のオファーを受けた経緯を説明した。
浮かんだメロディを携帯に録音して作曲するというノ・ミヌは、「何かこれについて曲を作ってと言われたら、できますよ」という。そこでyumiがお題に“携帯の着信音にミヌの曲を設定している人が誰もいなかったときの悲しい気持ち”と無茶ぶりすると、ピアノの前に座り、「1つ単語をください」と要求。yumiが「ボロボロ!」とキーワードを与えると、「聴いてください、ボロボロ」と言い、物悲しい旋律で「もう〜ボロボロだよ。やだ〜こんな状況はなんだ〜」と、悲しい気持ちを切なく即興で歌い上げ、そのマルチな才能を発揮。そのあまりの素晴らしい才能に、患者たちからは笑いと拍手が沸き起こった。
そして、ドラマ「愛の有効期限」中から「私の涙をかばって(主題歌)」を熱唱。ステージに立つ姿も凛と美しいノ・ミヌは、その歌声でもファンを釘付けにした。
患者たちとテーブル毎に団体の記念撮影をすれば、一人一人に声をかけ、ファンサービスもたっぷり。誕生日を祝うさまざまな飾りを持った患者たちとの写真撮影は賑やかに行われ、撮影を待っているファンにも「(DISCOのミックスする曲に合わせて)みんな踊ってよ〜」と気遣いも見せるノ・ミヌ。
和やかに撮影が終了すると、誕生日を祝ってくれた患者たちにプレゼントがあるとして、ジャケットを脱ぎ、個性的なゼブラ柄のサックスで、その音色を会場に響かせた。
時間の都合で1問しかできなかったファンからの質問コーナーでは、「今まで一番気に入っている髪型」を聞かれると、「個人的には長い方がいいので去年の12月くらいの髪型が好き。眉毛が見えるのと見えないのでは全然違います。日本の患者さんは眉毛が見えるドヤ顔が好きですよね。いろいろな役をやってみたいので今は髪を短くしています」と答えた。
そして再びノ・ミヌとDISCOによるライブ。「Baby」で客席にマイクを向けると、ファンもそれに合わせて歌い、ペンライトを持つ手を左右に振ってステージを盛り上げた。また客席に降りると後ろや端の席の患者へのサービスも忘れない。そして続く「HEAVEN」でさらに美しい歌の世界へ誘うと、患者たちはその歌声にうっとりと聴き惚れた。
客席からの鳴り止まない「ミヌー!」と呼ぶ声。ノ・ミヌはその声が好きだというと、携帯を取り出して患者たちの歓声を録音。「これで帰っても淋しくないよね。寝るときに聞くよ」と少し照れながら、甘い言葉でささやいた。
名残惜しそうに、「1日、1年がすごく短く感じられる。先輩に話したら、歳を取ったらもっと短くなるよと言われたけど」というと、「一瞬だよ!」と客席からは同意の声。「一日が一瞬になっても、今日が最後の日のように、たくさん愛したり、したいことをやりながら生きましょうよ。悲しいこと、苦労することもあるけど、僕は患者がいたら、淋しくない。もっとかっこよくなるから、今みたいに僕の傍にいてください。ここまで来てくれて本当にありがとうございます」とあいさつ。
最後にギターをつま弾きながら、諦めないで生きていこうという気持ちを歌詞に込めたという曲、「ALIVE」を披露。感情を揺さぶるようなギターの音色と歌声が会場中に響き渡った。途中、歌詞を日本語にして「患者、本当に会えてよかった。また会える日まで体を大事にしてまた会いましょう」と、熱い想いをファンの心に届けた。そして「また会ったら、携帯の写真は僕にしてね!Thank you!!」と笑顔でステージを後にした。
終演後は、会場の外で一人一人と握手をしてお見送り。最後まで患者のことを思う紳士的なノ・ミヌの姿がそこにあった。
すべての会話を日本語でこなし、笑いもとり、ファンサービスもたっぷり。アーティストとしての溢れる才能も惜しみなく見せてくれたノ・ミヌ。エンディングにスクリーンに登場した映像には「一緒にいてくれることに、ただただありがとう」という言葉が綴られ、彼のファンへのピュアな思いが感じられた。恋の病から逃れられない患者が急増する理由がわかった気がする。
取材:Korepo(KOREAREPORT INC)
ノ・ミヌ 日本公式サイト https://nominwoo.co.jp/
ノ・ミヌ オフィシャルブログ http://ameblo.jp/icommunity/