「ノエ・コッ(君の花)」には演奏後、クォン・ジョンヨルの解説がついた。曰く「これは植物に関する歌詞ではありません。10CMの曲の中でもとてもエロい、変態的な曲です(笑)。韓国ではテレビ番組で放送可能な曲かどうか審議されるのですが、僕たちはとても頭を使ったので、韓国ではすべての放送局でこの曲を聴くことができます」とのこと。20代30代の女性ファンの心を掴む10CMの曲の中には“18禁ソング”と呼ばれるものが多数存在する。クォン・ジョンヨルは今回のライブの中で“エロい”という単語を何度か口にしたが、確かにそれは“セクシー”とは少し違う、彼ら彼女たちの日常に重なるような男と女の姿を切り取った歌詞なのだ。
「当然韓国のテレビ番組でこの曲は聴けません」と言わしめる「Hey Billy」では、間奏でクォン・ジョンヨルとユン・チョルジョンが「こどもはどうやってできるの?」「お母さんとお父さんが愛し合う」という日本語のナレーションを披露して笑いを誘った。
「今回のコンサートで1番楽しいパートです」とスタートした「Oh! Yesh!」ではユン・チョルジョンのギターソロが炸裂し、クォン・ジョンヨルのボーカルもファンキーに唸る。そのままの勢いで「アメリカーノ」、そしてこのライブのテーマソングといえる「オヌルパメ(今夜に)」へ。明るい雰囲気の「アメリカーノ」のアウトロに被さるようにアーバンなベースラインが入り、ノンアルコールドリンクがふいに酒気を帯びた夜の街に変貌する。クォン・ジョンヨルの声はとてもセクシーに響き、ユン・チョルジョンの低音ボイスによるセリフのパートにもドキッとさせられる。
「Good Night」では客席のファンを1人ステージに上げ、お互いの肩に頭を預け合いながら耳もとに語り掛けるように歌うクォン・ジョンヨル。次の「ストーカー」も悲しい歌詞のバラード曲で、甘く柔らかい空気に会場全体が酔いしれた。
この2曲についてクォン・ジョンヨルは、「『Good Night』の歌詞は、恋人に今夜は平和的に眠れたらいいねという治癒するような内容に見えますが、よく見ると歌い手と恋人は別れています。一緒にいなくて、別れた後にその恋人を心配する気持ちを込めています。『ストーカー』も片思いの気持ちを込めた曲です。とても悲しい曲を歌いました」と語った。(4ページに続く)