「コラム」チャン・グンソク主演『テバク』!物語の背景がよくわかる

 

粛宗の後継者をめぐる争い

〔解説8〕重要なキーマンは?
『テバク』で特に重要な人物だったのが、チョン・グァンリョルが演じている李麟佐(イ・インジャ)だ。この人物は、英祖が即位した4年後の1728年に政府転覆をはかって反乱を起こす。これは当時の朝鮮王朝を揺るがす大事件だった。しかし、それ以前の李麟佐の足跡は謎に包まれている。それにもかかわらず、『テバク』では李麟佐を最初からどんどん登場させている。間違いなく彼こそが『テバク』のキーマンである。

〔解説9〕テギルはどうなる?
成人したテギルの役でチャン・グンソクが本格的に出てくるのは第3話の後半からだ。そのとき、テギルは20歳になっていた。彼は1693年に生まれて捨てられてしまったという設定なので、第3話の後半からは時代が1713年に移っていた。ちなみに、淑嬪・崔氏が48歳で世を去ったのが1718年で、粛宗は1720年に59歳で亡くなっている。

〔解説10〕後継者争いの結果は?
景宗とヨニングンの他に、粛宗が溺愛していた息子がいた。側室が1699年に産んだ延齢君(ヨンニョングン)である。彼は頭脳明晰で、とても親孝行だった。『テバク』の中にも延齢君がよく出てきて粛宗の肩をもんでいた。実際にも、粛宗はこの延齢君をとても気に入っていて、景宗と代えて後継者にしたいという腹積もりを持っていた。しかし、肝心の延齢君が1718年に19歳で早世してしまった。粛宗の嘆きは大きく、それが寿命を縮めたとも言われている。結局、長男の景宗が、1720年に粛宗が亡くなった後に王位を継いだ。だが、景宗も即位4年で世を去り、1724年に英祖が即位して満願をかなえた。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
(この記事は「ロコレ」で2016年5月20日にアップされた「役立つ歴史知識!『テバク』序盤がよくわかるワンポイント解説10」を再構成して掲載しました)

コラム提供:ロコレ
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2017.04.24