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『哭声/コクソン』國村隼、ナ・ホンジン監督ティーチイン
■日時:1月24日(火)21:10~22:00(映画のプレミア上映後)
■場所:シネマート新宿 スクリーン1(東京都新宿区新宿3丁目13−3 新宿文化ビル)
■登壇者:國村隼、ナ・ホンジン監督
立ち見も出る超満員の観客から大きな拍手で迎えられた出演者の國村隼とナ・ホンジン監督は、それぞれ「皆さんは日本で一番最初にこの映画をご覧になってくれた方々です。嬉しくて嬉しくてひとりひとりにハグしたい気分です。今日は本当にありがとうございます」、「長い上映だったと思いますが、この時間まで待っていてくださってありがとうございます。シナリオから6年ぐらいかけて作った映画で、今日という日を迎えられて嬉しく思います。Q&Aでもベストを尽くして頑張ります」と挨拶し、早速、ティーチインがスタート。
本作は前作2本とは全く異なるタイプの映画になっているが、どちらが監督本来の志向なのかと聞かれた監督は、「前の2作品とは違って、自分らしく自由に作りたいと思った作品で、自分のありのままに作った映画です」と語り、國村を起用した理由として、「シナリオが出来上がり日本人俳優が必要ということになって、國村さんと同じぐらいの年の俳優を沢山調べました。中でも國村さんのことは以前から作品を通じて知っていて、ずっと尊敬していた存在なんですが、色んな作品を観ているうちに特徴があることに気付いたんです。カットごとに完成された演技をしているのが印象的でした。『哭声/コクソン』の中で、“よそ者”という役柄は、この人ってどういう存在なの?と疑問をなげかけるとても重要な役どころで、その役をやり遂げられるのは國村さんしかいないと確信をもって日本に来てオファーをさせていただきました。」と國村に決め撃ちでオファーをしたことを明かす。
監督からオファーを受けた際、監督のことを全く知らなかったという國村は過去の2作品と本作の脚本を読み、「とんでもない才能だなと思いました。」とコメント。その上で、「実際撮影に臨んでみると、最初に思っていた以上でに、ナ・ホンジンていう人は、才能が人の形をしているんだるな思いました。基本的なイメージから撮影していくにつれて新たなビジョンがどんどん出てきて、そのイメージをもっともっともっと・・・とテイクを重ねていく。それを現場で真の当たりにして、“やっぱりすごい”と思いました。」と熱っぽく振り返る。
“よそ者”は劇中、数々の壮絶すぎる言動を見せる。年上の人を重んじる文化がある韓国において、目上(國村)の人に撮影で無理をさせるのは大変だったのではないかという質問に、監督は、「本当に申し訳なかったですが、シナリオがそうできあがったからどうしようもなかったんです。その代わり、撮影以外のところでのフォローに最善を尽くしたつもりです。撮影を通して、國村さんからは色々なことを学び、さらに尊敬し、大好きになりました。お詫びと感謝の気持ちをこの場で改めて述べたいと思います」と語った。それに対して國村は、「台本に書かれていたから撮影が大変なことは予め分かっていました。でも、他の人がこの役をやっているのを見たくなかったから。自分からこの世界に飛び込んでいったから、ひどいことをされている自覚はなかったです」とコメント。(3ページに続く)