毎回70分の放送枠
放送時間の延長も功を奏した。
通常のミニシリーズの1話分はそれまで60分だった。しかし、『冬のソナタ』は月曜日も火曜日も午後9時50分からの70分間だった。異例の長さである。
なぜ長くなったのか。それは視聴率競争で優位に立つためである。少しでも放送時間が長いと、総視聴占有率が高くなるために、発表される視聴率も高くなる。いわば、視聴率という数字を上げるための放送時間延長であった。
同時間帯に放送されている他のドラマも追随するようになり、夜10時台の看板ドラマは軒並み70分ドラマになった。
もともと70分ドラマというのは、特別企画ドラマの初回分にかぎって採用される戦略の一つだったのに、それが標準化してしまったのである。
しかし、毎回70分になると、制作する側の負担が大きい。
1週間に2回分120分だった放送が140分、と20分も増える計算になる。韓国ドラマに回想シーンが多いのも、この70分ドラマが増えてから。回想シーンを何度も流して時間を稼ごうというわけである。
もっとも、視聴者にすれば、あこがれのペ・ヨンジュンを長く見られるわけだから、70分ドラマの反応は上々だった。(ページ3に続く)