「イベントレポ」『太陽の下で-真実の北朝鮮-』トークイベント「撮りたかったシーンはすべて禁止された」

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12月10日~16日は北朝鮮人権侵害問題啓発週間
映画『太陽の下で-真実の北朝鮮-』ヤン・ヨンヒ監督&ヴィタリー・マンスキー監督 “真実の北朝鮮”を知る異国の映画監督が徹底討論!「撮りたかったシーンはすべて禁止された」

 

<トークイベント・オフィシャルレポート>

北朝鮮政府が演出した“庶民の日常生活”。その裏側をロシアの撮影スタッフが危険を冒して暴き、政府の強力な圧力と非難を押しのけ世界各国で高く評価された話題作『太陽の下で-真実の北朝鮮-』が2017年1月21日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次公開となります。

日本公開に先駆け、本作のメガホンを取ったヴィタリー・マンスキー監督と映画『かぞくのくに』のヤン・ヨンヒ監督を迎えて、トークイベントを実施致しました。

【日時】: 12月12日(月) 18:00 ~ 映画上映前
【場所】: 京橋テアトル試写室 (中央区京橋1-6-13アサコ京橋ビルB1)
【登壇者】:ヴィタリー・マンスキー監督(53)、ヤン・ヨンヒ監督(52)

個人の自由が認められない北朝鮮において、“庶民の日常生活”とは一体どのようなものなのだろうか?
モスクワ・ドキュメンタリー映画祭の会長も務めるヴィタリー・マンスキー監督は、誰もが知りたい疑問を、誰もが見えるかたちで描きたいと考えていた。北朝鮮政府から撮影許可を得るまで二年間、平壌の一般家庭の密着撮影に一年間。その間、台本は当局によって逐一修正され、撮影したフィルムはすぐさま検閲を受けることを強いられたが、検閲を受ける前にフィルムを外部に持ち出すという危険を冒して完成させた本作。

ヤン・ヨンヒ監督は「山形国際ドキュメンタリー映画祭などで監督の名前は存じ上げていました。こういう作品を出す監督が遂に出たか、やっとか!という思いですね。」と本作のような作品を待ち望んでいたそうで、「北朝鮮がこういう状況にあるというのは、大なり小なりみんな知っているわけで北朝鮮に取材に行ったことがある色んなメディア媒体の記者たちはそういう場面を目撃してきていると思います。ですから極端にいうと、撮ろうと思えば撮れたかもしれないけれど、みなさん次(北朝鮮に)入れなくなる。

北朝鮮取材と言うのはお上にお伺いを立てるというのが付きまとうので、テープチェックだとかその後の取材が出来なくなる新聞社や放送局との関係が良くなくなる、入国の許可が下りなくなるなど、いろんなことで自粛している方も多いと思います。その中でとても面白く、いい意味で残酷に北朝鮮の断片をお撮りになったと思います」と監督の映画化までの苦労をねぎらった。さらに「ほんとに変な言い方ですけど、楽しみながら観ましたし、考えさせられ、また自分自身の家族のことや自分が北朝鮮の体制の中にいるような教育を日本で受けてきたので、自分の生い立ちに関しても改めてたくさん思い出しました」と自信の境遇に想いを馳せた様子。(2ページに続く)

2016.12.14