「インタビューその1」俳優チュ・ジフン、映画「阿修羅」は男の世界ではなく人間の世界だ

 

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韓国俳優チュ・ジフンにとって映画8作目となる「阿修羅」は、特に格別な思いがあるようだ。これまで出演した作品を大切にしてきたが、「『阿修羅』は今まで出演した作品の中で感情的にも肉体的にも難易度が一番高かった」と述べるほど熾烈だった作品であるため、特別になるしかないのだった。「阿修羅」とそれを作ったキム・ソンス監督、先輩俳優のチョン・ウソン、ファン・ジョンミン、クァク・ドウォン、チョン・マンシクはチュ・ジフンをムン・ソンモそのものになるよう導いた。「常に戦慄を覚えた撮影現場だった」と振り返っていたチュ・ジフンが、「阿修羅」と共にした4か月は「幸せしかない時間」そのものだったという。何より、先輩・後輩間の思慮深く人格的な村長が印象的な時間でもあった。

「今回、先輩方と共にしながら分かったことは『あんなにまで演技をするんだな』ということでした。全て本当にものすごいとしか思えないくらいの勢いだったんです。何よりそういった最高の場にいる方々が僕のような途方に暮れている後輩と誠心誠意をもって話してくださったのに感動しました。僕だったらこんな年下の後輩に耳を傾けてあげられるかなと思いましたね。それで『僕もあのような先輩にならなきゃ』と思いました。後輩の考えが違っても理解してやらなければならず、強要してもいけないとより一層感じました。僕がちょっと眠っていた時に、僕を起こさずにセッティングを変えてくださるほど、楽にしてくださったんです。監督も『お前ができる最高に楽な演技をしてほしい』と言ってくださいました。」

チュ・ジフンとそれ以外の俳優の息の合った演技は、激しくて入念なリハーサルで成り立った。演技力のある俳優たちが皆、そのようにリハーサルに集中したというが、「阿修羅」でそれぞれの主人公のエネルギーが精巧に合わせることができた理由がわかる気がした。リハーサルだけで3時間かけたというほど、本番前に苦労したが意外性を欠いたものではなかった。「全てを見せてから演技を合わせてみると、やや面白みに欠ける可能性もありました」とし、「30回合わせてみてから、また違った意外性を発見しようとしていたんです」という言葉通り、完成度の高いシーンを作るために努力した時間について語った。

「とにかく比重の高い人物が多く出演するため、一つ一つのキャラクターに対する十分な説明がないと思えるかもしれないんですが、僕はあのくらいでも十分ではないかと思っています。それぞれの俳優全て一つのキャラクターに集中しているというより、作品全体の事柄に共に注目して溶け込んでいこうとしました。もちろん、ソンモの分量は映画より多かったんですが、時間の制約があるため、残念ながら編集された部分がたくさんありました。それでもソンモが処した状況が十分に理解できる余地があると思っています。人は必ずそうしなければならないという理由があって行動することが多くはありませんでした。意外に大きなことを計画せずに生きて、偶発的で感情的なことも多い。人生が実際にもそのように流れていくようです。偶発的な選択をした後、事件が続くようになって、渦から抜けられるようになってみてソンモはいつの間にか変化してしまったんだと思います。」

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2016.10.15