「コラム」朋道佳のイチオシ10『ビューティー・インサイド』

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今、日本ではアニメ映画『君の名は。』が大ブームです。身体が入れ替わるというシチュエーションで描かれたこの素敵なファンタジー映画が、多くの人の心を魅了していますね。韓国でも、違う姿に身体が替わるという似たような設定で描かれた作品は多くありますが、最近の作品の中で抜きん出て秀逸な仕上がりだったのは、ハン・ヒョジュ主演の『ビューティー・インサイド』です。

 

1人の男を123人が演じる

映画『ビューティー・インサイド』は、2015年8月に韓国で公開された作品です。今年の秋夕(チュソク/お盆のこと)には特選映画になり、韓国SBSでテレビ放送もされました。

元々、インテルと東芝が合同で制作した40分のソーシャル・フィルムでしたが、韓国のCM界を代表するビジュアル・クリエイターのペク監督が映画化し、ペク監督の長編映画デビュー作となりました。

『ビューティー・インサイド』は1人の男を123人が演じるというこれまでにない異色な設定で話題を呼びました。

一見すると理解しがたいように感じますが、頭が混乱するのは最初のほんの数分だけ。その混乱がすぐにワクワク感に変化していくのは、素晴らしい演出の効果にほかならないでしょう。

ウジン(役者は随時変わります)は18歳のある朝から、寝て目覚めると別人に外見が変わるという特異体質になってしまいます。性別、年齢が変わるのはもちろん、ときには外国人になることも。そんな彼を理解してくれるのは、母親と親友のサンベク(イ・ドンフィ)だけでした。(ページ2に続く)

2016.09.27