テーマ2.短命だった王は?
[短命だった王]
1位 6代王・端宗(タンジョン) 16歳
2位 8代王・睿宗(イェジョン) 19歳
3位 24代王・憲宗(ホンジョン) 22歳
英祖や李成桂のように長く生きた王がいる一方で、朝鮮王朝には10代で崩御した王が2人もいる。特に、6代王・端宗(タンジョン)の最期は悲しいものだった。
端宗は1441年に5代王・文宗(ムンジョン)の長男として生まれるが、母は産後の経過が悪く命を落とす。さらに、父である文宗も、彼が11歳になるころに亡くなってしまう。こうして、端宗は若くして王となった。
端宗が不運だったのは、文宗の弟の首陽(スヤン)大君が、王位を狙っていたことだ。首陽大君は端宗の後継人たちを殺した後に、王位を簒奪。7代王・世祖(セジョ)として即位する。
世祖の強引な手口を認められない臣下は多く、彼らは、端宗を復位させようと何度も画策する。終わることない復位運動に頭を痛めた世祖は、端宗を生かしておけば同じような運動が起こるとして、実の甥の命を奪ってしまった……。
こうして、端宗は16歳の若さで命を落とした。端宗の在位期間は3年2カ月だが、重要な政治運営は側近たちが行なっていたため、彼の治世と言えるのかは微妙なところだ。端宗は、自らの政治も行なえなかった悲運の王である。
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