テーマ３．退位後の王は長生きできた？

［退位後長く生きた王］

１位　２代王・定宗（チョンジョン）　19年

２位　15代王・光海君（クァンヘグン）　18年

３位　27代王・純宗（スンジョン）　16年

朝鮮王朝の王の多くは、天寿を全うするまで王として君臨する者がいる一方で、早々に王位を譲って隠居する王もいた。退位後、特に長生きしたのが、２代王・定宗（チョンジョン）だが、彼の退位には様々な思惑があった。

李成桂（イ・ソンゲ）は、先妻から６人、後妻から２人の息子を授かった。先妻の子供たちは、父の新王朝建国に大きな力となった。しかし、初代王となった李成桂は、自身の後継者を後妻から生まれた末弟を指名する。この決定は、先妻の息子たちは認められなかった。特に五男の芳遠（バンウォン）の怒りは大きかった。芳遠は機会を伺うと、後継者に指名された異母弟を殺して、次の王に二男の芳果（バングァ）を推薦する。

李成桂が提案を受け入れた結果、芳果が２代王・定宗として即位した。

芳遠が自ら即位しなかったのは、すぐに王となってしまえば、王位簒奪の汚名を被ると考えたからだ。

芳遠の力で王となった定宗だが、実質的な権力は芳遠が握ってた。

定宗は余計なことをして、芳遠の怒りを買うことを恐れて、政治を顧（かえり）みないで、狩りや撃鼓（太鼓をたたくこと）を楽しむ生活を送り、時期を見て芳遠に王位を譲った。

王位を退いた定宗は、その後19年間、何不自由なく生活した。芳遠もそんな定宗に対する気づかいを最後まで忘れなかったという。

一方、１５代王・光海君（クァンヘグン）は、定宗とは対照的な晩年を過ごした。彼は定宗とは違い、クーデターで王位をはく奪されて、済州島に島流しにされている。光海君は王位を失って、１８年間に渡って済州島で暮らし、ひっそりと息を引き取った。王にまでなった人物の最期と考えると、悲しさを感じる。

（文＝ロコレ編集部）　

コラム提供：ロコレ
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