イ・ミンホの大活躍は、ファンにとっても本当にうれしいこと。ただし、手放しで喜べないのは、近いうちに兵役に行かなければならないからだ。ドラマ『青い海の伝説』を大成功させて兵役に入るというのが、今のイ・ミンホにとって望ましいシナリオではないだろうか。
作品ごとに評価を高めている
イ・ミンホの活躍がめざましい。
彼が出演した韓中合作映画『バウンティ・ハンターズ』が中国で公開されたが、興行成績がとてもいい。もともと中国で絶大な人気を誇っていたが、作品ごとに評価を高めているのが頼もしい。
そんなイ・ミンホには、さらに待望の作品が待機している。11月にSBSで放送されるドラマ『青い海の伝説』である。
とにかく、このドラマに関わる顔ぶれが豪華だ。
主役のイ・ミンホと共演するのは、今や韓国でトップの女優と言っても過言ではないチョン・ジヒョンだ。
彼女はドラマ『星から来たあなた』でキム・スヒョンと共演して大好評を博したが、その後も昨年韓国でメガヒットした映画『暗殺』で腕利きのスナイパーを演じて絶賛されている。
映画『暗殺』で腕利きのスナイパーを演じたチョン・ジヒョン(中央)/写真=©2015 SHOWBOX AND CAPER FILM ALL RIGHTS RESERVED.
最強のスタッフに恵まれて
チョン・ジヒョンは、今年の2月に出産して母親になったが、『青い海の伝説』では6歳下のイ・ミンホと絶妙なカップルを演じることになった。
それは、イ・ミンホとしても光栄なことだ。
今や押しも押されもしない大女優となったチョン・ジヒョンとの共演は、イ・ミンホにとっても大きなキャリアになる。俳優としての格が確実に上がっていることの証明ともなるのだ。
さらに、制作陣が凄い。
脚本は『星から来たあなた』で大成功をおさめたパク・チウン作家。この著名な脚本家は、構想段階からイ・ミンホとチョン・ジヒョンを主役に想定していたという。イ・ミンホにとっても、とても名誉なことだ。
監督は、イ・ミンホと『シティーハンター』で組んだチン・ヒョク。この監督もイ・ミンホの実力を認めているから、再び声をかけてきたのである。
このように、イ・ミンホは最強のスタッフに恵まれた。ドラマの才人たちが『青い海の伝説』に集結したという感じだ。
兵役延期のリミットが近づく
今、乗りに乗っているイ・ミンホ。
本音を言えば、兵役に行かないで、このまま芸能界を果敢に突っ走っていきたいところだろう。
しかし、現実はそうもいかない。韓国に生まれた男子として、兵役の義務を遂行しなければならないのだ。
イ・ミンホは1987年6月22日生まれだが、兵役計算年齢が今年1年間は29歳の扱いで、来年1月1日からは30歳と認定される。
韓国の兵役法では、「30歳を超過して兵役の延期はできない」と規定されているので、どんなことがあろうと、来年までに兵役に行かなければならない。
ただし、所属事務所は、イ・ミンホが兵役検査で公益判定を受けたと発表した。
この場合の公益判定というのは、現役兵として入隊するのではなく、公的機関で勤務することを意味している。
つまり、兵役の代替制度の適用者ということだ。
この存在を兵役用語で「社会服務要員」と言う。2013年までは「公益勤務要員」と呼ばれていたが、名称が変わったのである。
社会服務要員とは何か
イ・ミンホが公益判定を受けたのは、かつての交通事故で負った古傷が原因だ。彼は2006年8月、乗車していた車が飲酒運転の車と正面衝突するという事故に巻き込まれていたのだ。
その際には、内腿と足首の骨折、右膝軟骨破損などで全治7カ月の重傷を負った。このときの古傷が理由で、イ・ミンホは「現役兵としての軍務が難しい」と判定された。それによって、社会服務要員になることが決まった。
社会服務要員といっても、最初に4週間の新兵訓練を受ける必要がある。このときに、軍人としての基礎的な軍務を身につけるのだ。その後は、主に役所で働いて兵役を履行する。陸軍の場合は兵役期間が21カ月だが、社会服務要員になると、それより数カ月長くなるのが普通である。
現在では、JYJのユチョンが社会服務要員としてソウル市の江南(カンナム)区役所で勤務していることがよく知られている。
この江南区役所は社会服務要員がよく配属される役所として特に有名だ。過去にも、芸能人の多くがここで兵役についている。そういう意味では、イ・ミンホが江南区役所に配属される可能性もある。
今は最新作に集中あるのみ
イ・ミンホに関しては、いつ兵役に行くのかという時期が関心を集めている。
今年の兵役入りは考えられない。『青い海の伝説』の撮影に全力を注ぐことしか、今の彼の頭の中には他にないだろう。
仮にこの作品が大成功をおさめれば、兵役入り前の最後の作品として申し分ない。さらにイ・ミンホの評価が高まり、その余韻をしばらく残しておける。兵役によってたとえ彼が芸能界に不在であっても、作品がイ・ミンホの存在感を保ち続けるのである。
そういう状況を維持したうえで来年の春頃に兵役に入る、というのが一番現実的かもしれない。
『青い海の伝説』の撮影が終われば、ファンミーティングの準備に入り、韓国・日本・中国でファンにしっかり挨拶をしてから、社会服務要員として兵役に入る……そんな流れが推定できる。
ただし、今はとにかく『青い海の伝説』に没頭してほしい。
この作品を最高の出来にして残すことが、イ・ミンホにとって、今もっとも大切なことなのである。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
コラム提供:ロコレ
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