ドラマ「ミセン -未生-」「キルミー・ヒールミー」など数々の話題作に出演し、映画、ドラマ、ミュージカルなど多方面で活躍中の韓国俳優オ・ミンソクが、 6月5日(日)東京・品川インターシティホールにて約3年ぶりとなるファンミーティングを開催した。
ドラマ「メディカル・トップチーム」や「お願い、ママ」など日本でも人気の作品に出演している。2006年にドラマ「マイ・ウェイ」でデビューを果たすと、翌年にはSBS演技大賞ニューフェース賞を受賞し、その実力を認められた。演技だけでなく、仮想バラエティ「私たち結婚しました」では女優カン・イェウォンとの恋愛で視聴者からの多くの愛を受け、韓国のみならず中国、日本などアジアで人気沸騰中だ。
スタイリッシュなブルーのスーツ姿でステージに登場したオ・ミンソク。拍手で迎えられると、ファンミーティングはシン・ソンウの「愛した後に」の熱唱からスタート。「アニョハセヨ、オ・ミンソクです。今日はお休みの日にも関わらず、たくさんの方が来てくださってありがとうございます。東京は3回目かと思うのですが、本当にたくさんの皆さまが来てくださいました。楽しい時間を過ごしましょう」と来場の感謝を伝えた。
そしていきなりファンも大興奮のフォトタイム。カメラに向かってモデル風にお茶目にポーズをとり笑顔を見せるオ・ミンソクに、ファンも彼の視線をゲットすべく、「オッパ〜!」と熱烈に手を振ってアピール。会場は和やかな雰囲気に包まれた。
MCの進行で、自ら書いてきたという履歴書を元に魅力を紐解いていくコーナーでは、様々な項目に率直に答える36歳申年独身のオ・ミンソク。スクリーンに映し出された手書きの履歴書を見ながらトークは深まる。
大学で経営学を学んでいたため、卒業したら会社員になると思っていたというオ・ミンソクは、俳優を志した理由について、「軍隊に入る前につきあっていた恋人のせいでこうなりました(笑)」と意外な秘話を打ち明けた。大学在学中に軍隊に行くことになった彼は、軍隊に行っている間につきあっていた彼女から別れを切り出されたという。「彼女が女優になりたいと言ったんです。女優になるためには、誰かとつきあっていたら障害になるかもしれないと。それで別れようと言ってきたんです。それを聞いて僕はとても大きな衝撃を受けました」と当時を振り返った。「傷つかないようにするために、僕が俳優になろうと決めました。そのときにもう一つ思ったのは、演技者って何?なぜ演技者になりたくて別れる必要があるわけ?と思って。そんなに俳優、女優ってすごいことなのかなと思って、それもきっかけになりましたね」と語り、「その彼女は3ヶ月くらい女優生活をしてやめたそうですが、こうして僕は10年も俳優を続けているわけです(笑)」と笑顔を見せると、会場からは“俳優オ・ミンソク”の誕生秘話に温かい拍手が送られた。
日常をチラ見するオフショット写真紹介では、寝起き姿や姪っ子とのツーショット、旅先の風景などの気取らない姿がスクリーンに映し出された。6月27日から韓国で放送予定の、彼が主演を務めるKBSドラマ「女の秘密(原題)」の撮影オフショットなども公開され、ファンの目を楽しませると、ステージから客席に降り、ファンからの質問に直接答えるコーナーでは、「結婚の予定はありますか?」というストレートな質問に「結婚に関心はありません!」ときっぱり。「年下は何歳までOKですか?」という問いにも「歳の上、下は関係ない」と男らしく回答し、喜ぶファンとがっちりハイタッチ。ファン一人一人と笑顔で向き合い言葉をかける。クールな役の印象が多い中で、実は人を笑わせるのが大好きだという彼のチャーミングな一面を垣間みることができる愉快なQ&Aコーナーとなった。
後半はラフな白いトップスとジーンズに衣装をチェンジすると、ファンミーティングもさらに打ち解けた雰囲気に。ファンと演技を繰り広げる「オ・ミンソクの男前度チェック」では、選ばれた3名のファンと即興で甘い演技を交わした。“誕生日に「私、もうおばさんだね」と呟く彼女を喜ばせる”という設定では、「そんなことないよ。僕にとっては生涯女に見える」と甘くささやき、ぐいっとファンを抱き寄せると頬に手を当てキス…の手前でMCから「カット!」の声がかかった。会場からは悲鳴のような黄色い歓声。「近すぎて見えなかった…」とうれしすぎるシチュエーションに動揺を押さえられない様子のファン。
続いて“最近太り気味の彼女の心を傷つけないようにダイエットを促す方法”というシチュエーションでは、「可愛く、こういう風にお願いします」とファンにセリフの言い方を指導し、自ら可愛くお手本をやってみせて客席を笑わせた。“やる気のない後輩女性への愛ある叱り方”という設定では、上司役を熱演。やっておくように指示しておいた仕事に「やってないですけど」と悪びれない部下役のファンに対して、ドラマ「ミセン」さながら、「仕事はちゃんとやれよ!」と厳しく叱責したかと思えば、「やっておくように言ったのにやらないなんてもうクビだぞ。…俺はお前とこの会社でずっと一緒に働きたいんだ。こっちにおいで」と、最後はファン抱き寄せ頬に手を当ててキス…しようとしたところで再びカット!「すぐにキスしようとしますね」というMCのツッコミに、「すぐカットがかかりますね(笑)」とお茶目に応じ、「ちょっとキザだったでしょ」とはにかんだ。
彼の男前ぶりに会場がメロメロになったところで、ステージにキッチンセットが登場しクッキングコーナーへ。午前中雨だったこの日にちなんでチヂミを作るというが、なぜ雨の日にチヂミを焼くのか知らないというオ・ミンソク。チヂミを焼く音が雨音と似ているからだとMCが説明すると「ほとんど韓国の人は知らないと思う(笑)」と笑いながら、手際よくニラを刻み、材料を準備していく。料理はしている方だという彼の言葉通り、「最初は弱火できちんと火を通してから、最後は強火で焦がします」とオ・ミンソク流の焼き方も説明。チヂミを焼く香ばしい香りが会場に漂う中、選ばれた幸運なファンが試食のためステージへ。自ら熱いチヂミをとりわけ、フーフーと冷まして食べさせてあげるサービスぶりに「お世辞ではなくて本当においしいです」とファンも大満足の様子。料理のできる男としてさらに男前度をアップさせた。
終盤はバラエティ「私たち結婚しました」で女優カン・イェウォンのために作った自作曲「Oh Yeahソング」を披露。「Oh Yheh!」と客席にマイクを向けるとファンも笑顔で応じ、熱狂冷めやらぬ中、ファンへの感謝の想いを綴った手紙が静かに読み上げられると、最後はしっとりと、大学生のときに観たというアニメ「時をかける少女」の主題歌「ガーネット」を日本語で熱唱。当時は歌詞の意味もよくわからず、切ないメロディに心打たれたというオ・ミンソク。「僕が好きなこの歌をぜひ皆さんにお聴かせしたいと思った」と伝えるとファンも大きな拍手で感動を返した。「こんなに時間が早く経ってしまうとは思いませんでした」と名残惜しそうな表情を見せ、「次にまた機会があればもっと皆さんと楽しめることを考えてきたいと思います。皆さんの近くで、また皆さんと親しくなれたらと思います。ありがとうございました」と大きく手を振ってステージを後にしたオ・ミンソク。
10年後の目標は“信頼される俳優になること”と履歴書に書き、「オ・ミンソクが出ているなら観る価値があると思ってもらえるような俳優になりたい」と語った彼の座右の銘は「嚢中之錐(のうちゅうのきり)」だという。「袋の中にきりを入れておくと、自然に袋を突き抜けて刃先がみえてくるように、実力があれば自然とその才能が目立つ」という意味の通り、既にその才能を十分に開花させているようにみえるオ・ミンソクは、さらなる高みを目指しているようだ。今後の活躍から目が離せない。
写真提供:A・R・A