「コラム」超新星ゴニルが行く第3師団の特徴は「結束力」

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超新星のゴニルが4月26日に兵役入りするが、入隊するのは韓国最北部の鉄原(チョロン)にある第3師団である。入隊日には盛大なお見送りイベントが予定されているそうだが、厳しい部隊に入っていくゴニルにとって、それは大いに勇気づけられることだろう。

知っておこう「軍の部隊単位」

第3師団とは、どういうところか。

それを知るためには、そもそも師団というものが何なのかがわかっていなければならない。そこで、軍の部隊単位を把握しておこう。軍務というのは、どの部隊に所属するかでガラリと変わるものなのである。

韓国軍における部隊単位は小さい順にあげると、以下のようになる。( )内は兵士のおよその人数だが、部隊によって異なる場合もある。

分隊(10人前後)

小隊(20人~40人)

中隊(60~100人)

大隊(300人~1000人)

連隊(1000人~2000人)

旅団(3000人~5000人)

師団(1万人前後)

最小単位の分隊は10人前後で、最大単位の師団は1万人前後となる。このように、韓国の軍隊は構成されている。

302教官の指導で新兵は鍛えられていく(写真/韓国陸軍公式サイトより)

師団は軍の中の「大きな町」

もう一度、分隊から師団に統合されていく過程を見てみよう。

分隊は、軍隊における最小の単位である。戦時には、分隊ごとに攻撃を行なう場合が多く、特に結束力が重要である。

この分隊を3つ合わせて小隊に編成される場合が多い。さらに、3つの小隊が集まって中隊になり、その中隊が3個以上集まって大隊となる。この大隊になると、人数は300人~1000人である。単独で特殊な戦闘を行なえる集団となる。

大隊は3個以上が編入されて連隊になる。さらに、連隊が3個以上集まって旅団が編成される。ここまでくると、兵士の数は3000人から5000人ほどだ。

こうした旅団を統合した形で師団が存在する。戦闘時には一つの地域で重要な作戦を展開する基本の単位となる。兵士の数は1万人前後であるが、ときには1万5000人ほどにふくらむこともある。師団長は少将が担うのが一般的だ。

以上のとおり、部隊単位で韓国軍は構成されている。

韓流スターが入隊したときに重要なのは、どの師団に配属されたかということだ。所属する師団によって駐屯する地域と軍務が変わってくるからだ。

現在、韓国の陸軍は約40個の師団を持っており、それぞれの師団が1万人前後の兵員を抱えて「大きな町」のように集団で機能している。

そのような各師団に配属された新兵たちは、軍隊における最小単位の分隊に入り、そこで毎日の軍務に励んでいくのである。

301寒い中での軍務が続く(写真/韓国海兵隊公式サイトより)

真冬の夜中の警戒勤務が大変

超新星のゴニルが入隊するのは第3師団の新兵訓練所である。

この第3師団は「白骨部隊」とも言われている。白骨になるまで戦い抜く気構えを持つことが伝統になっているからだ。それほど勇猛な部隊で、シンボルマークも不気味な頭蓋骨になっている。

しかも、鉄原という軍事境界線のすぐ南側を防衛するという非常に重要な任務を担っている。韓国陸軍の中でも最強の1つと言われているのも、その任務が特別だからだ。

その第3師団にゴニルはなぜ選ばれたのか。徴兵検査の成績が抜群だったからかもしれない。いずれにしても、兵役に入る新兵の中でも優秀であると認められているのは間違いない。

第3師団がある江原道(カンウォンド)の鉄原は、ソウルから北に80キロメートルの場所にある。軍事境界線のすぐ南ということは、韓国の最北部である。

「韓国でも一番寒い場所」

そういう言われ方をする。真冬の最低気温は平均的に零下20度くらいになり、特に寒いと零下30度近くまで下がることもある。まさに極寒の地である。

陸軍兵士になると、誰でもかならず警戒勤務という軍務を定期的にこなす。いわゆる歩哨のことであり、2人1組になって重要な場所を見回ったり、弾薬庫や軍幹部の宿舎を警備したりする。

およそ1時間~1時間半で次の組と交代するが、真冬の夜中にこの警戒勤務があると、寒さで凍え死ぬと思えるほどだという。それほど過酷な軍務を定期的にやらなければいけない。それもまた第3師団の宿命なのである。

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軍務を通して多くの友情が生まれる(写真/韓国海兵隊公式サイトより)

社会から一目置かれる第3師団

韓国の兵役では、論山(ノンサン)にある陸軍訓練所ではなく、各師団の中にある新兵訓練所で基礎軍事訓練を受けると、除隊するまでその師団で軍務に就くのが一般的である。第3師団も同様だ。

特に、この師団は軍務の厳しさと立地条件の悪さ(極寒)で韓国中に知られており、息子が第3師団に入ると、親が本当に心配する。

ただし、実際に第3師団で軍務を終えた人たちの話を総合すると、辛い面だけでなく、得るものも大変多いらしい。

特に、日常生活で味わえない「絆」を強く意識するという。団結力を重視する白骨部隊の伝統で、特に連帯感が高まって数多くの友情がはぐくまれるそうだ

それは、第3師団の同窓会がとても熱心に行なわれていることからもうかがえる。しかも、「第3師団で兵役を全うした」というと、除隊後も社会で一目置かれる。これは、軍務が厳しいことで有名な海兵隊が「男の中の男」と評されることに通じるものがある。

臆することはない。優秀であるから第3師団に選ばれた可能性も高い。ゴニルもファンの思いがこもった見送りを受けて、堂々と第3師団の正門をくぐればいい。

(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)

コラム提供:ロコレ
http://syukakusha.com/

 

 

2016.04.09