物語終盤では、高橋一生、斎藤工ら日本を代表する俳優陣との共演も実現した。撮影前から彼らの出演作を見ていたというチョン・イルだが、原作のキャラクターとこれまでの彼らのイメージが異なっていたため、どのような演技を見せるのか気になっていたそうだ。
「高橋一生さんも斎藤工さんも、これまで出演された作品を拝見していました。実は撮影前に原作を3回読んでいたんですが、原作を読んで思い描いていた人物像と、お二人のイメージがすぐには結びつかなかったんです。だからこそ、どのようにそれぞれのキャラクターを演じられるのか、とても楽しみにしていました。
僕が出演していないシーンもたくさんありますし、僕自身もまだ作品をすべて見ていません。だから今は配信をとても楽しみにしています。
劇中では3人が僕から逃げるような展開なので、実際には一緒に過ごした時間は思っていたほど多くありませんでした。その点は少し残念ですね。でも、この作品をきっかけに、また皆さんとご一緒できる機会があればうれしいです」
作品全体の魅力について尋ねると、チョン・イルは、人間の本質を描いている点に惹かれたと語る。そして、自身が演じた滝川という人物にも、見逃せない変化があるという。
「この作品を通して感じたのは、人は誰しも弱さや卑怯な一面を持っているということです。一見するととても善良に見える人でも、その人の内面を深く知っていくと、必ずしもそうではないことがあります。だからこそ、この作品は人間の心理や内面を深く見つめることができる作品だと思っています。
僕が演じた滝川は、サイコパス的で、人への共感や哀れみをほとんど持たずに生きてきた人物です。でも、物語が進むにつれて、彼自身にも少しずつ変化が生まれていきます。ぜひ、その変化にも注目しながらご覧いただけたら、この作品をより新しい視点で楽しんでいただけるのではないかと思います」
本作では、巨大な権力に立ち向かう登場人物たちの姿が描かれる。では、チョン・イル自身は人生で壁にぶつかった時、どのように向き合うのだろうか。
「僕は、とにかくぶつかっていくタイプだと思います。たとえ失敗したり、傷ついたり、何かが壊れてしまったとしても、まずは正面から向き合い、解決しようと努力します。問題に直面した時、それを避けて通るタイプではありません。
これまでいろいろな経験をしてきましたし、年齢的にも自分の行動に責任を持たなければならない立場になりました。だからこそ、問題から逃げるのではなく、きちんと向き合って解決していく。そんな人間でありたいと思っています」
日本ドラマ初出演となった本作では、日本語でのセリフにも挑戦した。どのような準備をして撮影に臨んだのかを聞くと、言葉だけでなく、アクションにも多くの時間を費やしたことを明かした。
「もちろん、日本語の練習はたくさんしました。今回は日本語のセリフもかなり多かったので、台本に合わせてしっかり準備しました。韓国語の翻訳と日本語の台本を見ながら、日本語の発音を韓国語で書き込んで練習していました。特に難しかったのは発音ですね。細かい発音を中心に何度も練習しました。
それと、この作品はアクションシーンも本当に多かったんです。アクションの練習もたくさんしましたし、共演者の皆さんとも体をぶつけ合いながら芝居を作っていきました。だから、あえて『コミュニケーションを取ろう』と意識しなくても、自然と信頼関係が生まれていったように思います」
劇中に登場する「あと10日間生き延びれば助かる」という設定にちなみ、10日間行動を共にしたい俳優を聞いた。
「高橋一生さんです。僕よりずっと先輩ですし、撮影をご一緒していて、現場の中心に立ちながら作品全体を引っ張っていく姿が本当に印象的でした。
『犯罪者』について話そうと思ったら、10日あっても足りないくらいです(笑)。俳優にはそれぞれ違うスタイルがありますし、一生さんから学びたいこともたくさんあります。もし長い時間ご一緒できたら、とても楽しい時間になるんじゃないかなと思います」
約2か月にわたる日本滞在では、撮影の合間の時間も充実していたという。休日は積極的に街へ出かけ、日本での日常そのものを楽しんでいた。
「撮影がない日は温泉へ行っていました。それからジムで運動をして、ヨガもしていました。今回は東京で地下鉄やバスにもたくさん乗りました。そういう日常も僕にとっては新しい経験で、休日は本当に充実していました。
あと、目黒エリアに滞在していたので、あの辺りのお店にはほとんど行ったと思います(笑)。ナポリタンがおいしいお店も見つけましたし、お寿司がおいしいお店も見つけました。近所の飲食店は、ほぼ制覇したんじゃないでしょうか。
僕はスーパーで買い物をするのがすごく好きなんです。撮影がない日はスーパーで食材を買って、自分で料理をして食べていました。そういう時間もすごく楽しかったですね。日本で新しく作った料理では、梅干しを使ったボンゴレパスタが印象に残っています」
デビュー20周年という節目を迎えたチョン・イル。もし今の自分にプレゼントを贈るとしたら何を選ぶのか。そして20年走り続けてきた自分にどんな言葉をかけたいのか。俳優として歩んできた年月を振り返りながら、率直な思いを語った。
「自分にプレゼントを贈るとしたら、俳優として自分でも気づいているけれど、人には話していない『足りない部分』を補ってくれるようなものが欲しいですね。もっと良い俳優として成長できる、そんなプレゼントです。そういうものを受け取ることができたら、もっと長く俳優として活動できると思うので」
続けて、20周年を迎えた今の自分にかけたい言葉について尋ねると、俳優という仕事への思いを静かに語り始めた。
「俳優という仕事は、本当に孤独な仕事だと思います。華やかに見える仕事ではありますが、時には暗いトンネルを歩かなければならないこともありますし、逆にまばゆい光を浴びる瞬間もあります。そういうすべてが人生なんだと思います。
だからこそ、この20年間、本当によく頑張ったし、お疲れさまと自分に言ってあげたいです。そして、この20年間で積み重ねてきたさまざまな経験を土台にして、40代を素敵に歩んでいきたい。そんなふうに思っています」
最後に、先の展開を予想しながら楽しむ作品にちなみ、これまでの人生で「まったく予想していなかった出来事」について尋ねると、チョン・イルは自身の人生を大きく変えた作品として『思いっきりハイキック!』を挙げた。
「『思いっきりハイキック!』という作品に出会えたことですね。あれは本当に予想もしていなかった出来事でした。当時は本当にそのチャンスが欲しくて必死でしたし、オーディションにも400人以上が参加していました。
しかも、オーディションが終わった直後には、本当に命を落としかけるような出来事まであって……。それでも作品に出演することが決まり、気がつけば一瞬で多くの方に知っていただけるようになりました。
あの経験は、今でも決して忘れることのできない、僕の人生を大きく変えた出来事です」
取材:Korepo(KOREAREPORT INC.)
チョン・イルさんからKorepoにメッセージが到着!
■スタイリスト:カワサキ タカフミ
■ヘアメイク:髙塚那歩
Prime Original 新ドラマシリーズ『犯罪者』
©PROTX
配信日:7 月 17 日(金)より Prime Video にて世界独占配信
Prime Original新ドラマシリーズ『 犯罪者』作品概要
タイトル:Prime Originalドラマシリーズ『犯罪者』
配信日:Prime Videoにて世界独占配信中!
キャスト:高橋一生・斎藤工・水上恒司・ユースケ・サンタマリア・MEGUMI・青木崇高・チョン・イル・井上瑞稀(KEY TO LIT)/内野聖陽
原作:太田 愛「犯罪者」(角川文庫/KADOKAWA)
監督:松永大司
脚本:櫻井武晴
音楽:川井憲次
制作:PROTX
製作著作:PROTX
Ⓒ PROTX
作品詳細ページ https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0H5B41YXS
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