イ・ソジン、演劇初挑戦に”最後”の宣言…「今の自分を演じている」

「とてもつらいです。後悔しています。(演劇は)今回が最後の作品になると思います」

文句を言う顔の上にワーニャが重なった。デビュー27年目にして舞台に立つ俳優イ・ソジン。それもアントン・チェーホフの古典「ワーニャ伯父さん」だ。キャスティングが公開されると業界内外から好奇心と期待が高まったが、主演の彼本人は首を振った。

毎年5月にLGアートセンターソウルで行われる「演劇」シリーズに、ことしはイ・ソジンとコ・アソンの「ワーニャ伯父さん」(5月7日開幕)で帰ってきた。ソウル・カンナム(江南)からマゴク(麻谷)に移転した2024年のチョン・ドヨン出演「桜の園」、2025年のイ・ヨンエ出演「ヘンリック・イプセンの「ヘッダ・ガブラー」に続く野心作だ。

7日午後、イ・ソジンは記者たちと会い「最初は断った。最近はバラエティー芸人として暮らして演技から長く離れていたので負担が大きかった」と語り、「周囲の勧めとスタッフの情熱を見て決めたが、今回が最後であってほしい」と笑いを誘った。バラエティ番組で「ぶつぶつ文句をよく言うキャラクター」として知られているが、彼の答えには「ワーニャ伯父さん」として生きる現在の苦悩がにじんでいた。

チェーホフの「ワーニャ伯父さん」は、義兄のセレブリャーコーフ教授のために一生を捧げたが、残ったのは虚無と喪失だけというワーニャの人生を描く。人生の虚しさと幻滅、遅すぎた後悔を抱えて生きるワーニャは、「余裕のアイコン」イ・ソジンとは全く異なる人物に見えるが、不思議な共通点が見て取れる。愚痴と皮肉に満ちながらも責任感と愛情を手放せない中年の悲哀がしみ出ている。

イ・ソジンは「ワーニャに出会う前から更年期を経験していて、中年の悲哀やワーニャの心理を理解するのは難しくなかった」と笑い、「人との関係、今の現代で感じることと似た状況が多い。未知の人物を演じるより、現代の自分を演じていると思いながらやっている」と述べた。ただし「愚痴ばかりのワーニャは自分と違い、100%演技でカバーしている」と強調した。

演出を務めるソン・サンギュは、これまで見せてきたイ・ソジンの独特なキャラクターが彼へのオファーの理由だったと語る。「あれほど愚痴を言いながらも真剣にやるのはすごい責任感だ」と感じたからだ。

ソン演出家は「文句を言いながらも責任感ある姿はテレビで見たままだ」と笑う。イ・ソジンは後悔ばかりと語るが、ソン演出が見る彼は「鼻の頭を擦りむきながら」全力を尽くす俳優だった。「気を回していないようで全部気を遣い、悪意のない冗談が面白く稽古場でよく笑っている」というソン演出家は「文句は言うが誰よりも熱心に稽古し、演技も演劇も好きなようだ」と話した。

ワーニャの姪で劇のもう一つの中心軸である「ソーニャ」役には女優のコ・アソンが決まった。コ・アソンも今回が初めての演劇挑戦だ。彼女は「演劇の舞台と俳優に対する憧れと敬意があった」と話し、「イ・ソジン先輩の姪役をいつまたできるだろうと思い、受けた。先輩は後悔していると言うけれど、こんなに優しい方だとは知らなかった。熱心に稽古している」と期待を寄せた。

普段「読書家」として知られるコ・アソンは、これまでも原作小説を映画化した作品の常連主演だった。今回は古典だ。特にチェーホフの戯曲はコ・アソンが長く手にしていた作品だ。彼女は「台本を受け取って『ワーニャ伯父さん』をもう一度読んだ。このセリフを1か月間自分の口で言えることがありがたかった」と話し、「古典を読む時、これを演じると想像したことはなかったが、今また読むと現在と通じる文脈や慰めがあり、そのまま伝えようとしている」と述べた。
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2026.04.09