開演時間になり、歪んだギターの音が激しく鳴り響くと、ステージに聳え立つ巨大な2本の柱が上下に割れ、その中からJAEJOONGとXIAが登場。2人を迎える歓声が鳴り止まない中、柱の上でオープニングパフォーマンスを披露。そうして「JX 2024 CONCERT in Seoul」は幕を開けた。
ファンの興奮が冷めない中、2人にとって最初のグループ時代の楽曲である「Rising Sun」を歌唱。デビュー時代からステージを共にしたダンスディレクターを筆頭としたバックダンサー16人との一糸乱れぬ激しいダンスパフォーマンスを披露し、序盤から何度も上がる火の玉も相まり、会場のボルテージは一気に最高潮に達する。その後、「Purple Line」、「"O"-正・反・合」を続けて歌い、ノンストップで3曲を歌唱。グループ時代よりもさらに魅力が増していることを証明するような20周年の幕開けにふさわしい2人のパフォーマンスだった。
その後息を切らしながら、来てくれた方に感謝を述べる2人。JAEJOONGが「久し振りにダンスパフォーマンスをしたけれど、とても気分が良いね。2人で踊る姿を見るのは久し振りだよね?」と話すと、XIAはグループ時代の楽曲を披露することについて「僕たちの歌だけど、ずっと歌えなかった曲もあって。それを今日披露することができて嬉しい」と観客に素直な感想を述べる。普段のライブではダンスよりも歌唱がメインのため、2人ともハンドマイクでパフォーマンスを行うことが多いが、今回はダンスパフォーマンスを多く行うためヘッドセットを新たに用意したと話し、まだまだダンスパフォーマンスを行うことを観客に約束。観客のレスポンスから元気をもらった2人は「Whatever They Say」と「I believe...」を続けて披露。
先ほどとは一転、ロマンチックで甘く優しい声が会場に響き、しっとりとしたムードを作り出す。ステージ中央に立つ2人は何度もお互いを見つめ合い、微笑む姿も。2人から奏でられる心地よいハーモニーは、観る者を20年前に巻き戻すのに十分だった。最後はステージの端に移動し、遠く離れた位置でも目を合わせながら歌う。それぞれ別の道で活動しながらも、心は通い合っている今の姿を表しているようだった。
続いて、ピンク色のジャケット姿のXIAと、赤いトップスに衣装を変えたJAEJOONGは「Sky」を披露。間奏のパフォーマンスではXIAの即興ダンスにJAEJOONGとバックダンサーが合わせていく場面も。夏の爽やかな風と銀色の紙吹雪が会場に舞い、寒くなり始めたソウルの空気が、少し暖かくなったように感じた。その後は「My Girl」で観客と一緒にサビを大合唱。花道を歩きながら観客を見回し、微笑む2人。懐かしさを感じる温かいオレンジ色のライトに包まれながらこの20年間を思い出すように歌う2人に、涙を流す観客も見られた。
続くMCパートでは、今回のライブの選曲についてトーク。3回も選曲会議をしたという2人は、約半年前の6月から準備を始め、ファンの方々が聴きたいだろうなと思う曲を考えながら決めたと話す。そして、デビュー初期の曲はこれまで歌う機会がなかったこともあり、「実は心配もあった。ライブをうまくやり遂げられるか、踊りながら歌えるかどうか、そして来てくれた方が本当に僕たちの昔の曲を嬉しく思ってくれるのかどうか」と不安もあったことを明かすJAEJOONG。XIAは「僕たちが20年前に活動していた時代に戻ったという見方ではなく、今も現役のアイドルとして見てもらえたら嬉しいです」と話す。「次の曲はセットリストを決める時、最後に決めた曲です。なぜなら、この歌は僕たちがグループとして活動していたときの完全な姿を想像できる曲で、強いメッセージを持っていると考えているからです」とJAEJOONGが前振りし、次の曲へ。
少しの静寂が訪れ、「そして…(Holding Back The Tears)」のイントロが流れると、会場が大きな歓声に包まれる。この楽曲はグループとして活動していた2005年当時の不安や、膝の怪我をしたJAEJOONGを思って他のメンバーが作詞をした大切な曲なのだ。XIAの心地よいハイトーンボイスが響きわたる中、センターステージから左右に分かれた花道に移動した2人。会場の遠くを見つめる2人は、観客一人一人に届くよう心を込めて歌ってくれた。
その後、XIAが自身のソロ曲「Tarantallegra」と「Flower」のメドレー、そして激しいダンスとともに「ROCK THE WORLD」を披露。JAEJOONGは自身の最新フルアルバム『FLOWER GARDEN』より、「Devotion」と「Summer J」、最後にJAEJOONG自ら作詞に参加したタイトル曲「Glorious Day」を歌唱。
そして2人は「Stand by U」「明日は来るから」「どうして君を好きになってしまったんだろう?」の3曲に続き、「begin」と「PROUD」といった日本語楽曲を連続で歌唱。「PROUD」では、2人の若かりし頃と現在の映像が映し出され、まるで当時の自分たちに語りかけるように歌唱する姿が印象的だった。日本でK-POPブームが起きたきっかけとなり、ずっと業界を牽引してきた2人。涙しながら見守る観客の姿を見て想いが溢れ、目に涙を溜めるXIAとそれを温かく見守るJAEJOONG。
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