一方、岡本敦史さんは「この作品には、現実とフィクションを混同するなというメッセージも含まれていると思います」と語り、「日本軍がわざわざ鉄杭を埋めたという発想はすごいなと。日本にも『帝都物語』(1988年公開/監督:実相寺昭雄)という映画があって、それを思い出しますね。東京の至るところに地脈が走っていて、日本橋の麒麟像など、それを鎮める守り神があちこちにある。鉄杭とは逆ですけれど」と、風水学にまつわる日本映画についてのエピソードを披露した。
すると、崔盛旭さんは今も韓国で風水が根強い影響力を誇っていることを示すエピソードを披露し、客席を驚かせていた。韓国では信仰に関係なく、生まれた子供の名前を陰陽五行に基づき巫堂(ムーダン)が命名することもいまだに多いなど、韓国人の生活に強く根付いているというエピソードも明かした。
話題を本作に戻すと、崔盛旭さんは「登場人物たちの名前だけで、韓国人なら、どんな内容なのか、ある程度は推測できる。実は登場人物の名前は独立運動家の名前なんです。」と解説。また、國村隼が出演した韓国映画『哭声/コクソン』(2017年公開/監督:ナ・ホンジン)を引き合いに、「日本が恐怖の対象として、ネガティブなものと捉えて、それをうまくホラーにしている。そういう認識は、韓国の人にはある」と、『破墓/パミョ』との共通点に言及。韓国で大きな反響を呼んだ背景だと語っていた。
日時:11月9日(土)15:20~16:00
会場:角川シネマ有楽町(千代田区有楽町1-11-1)
ゲスト:崔盛旭(映画研究者)、岡本敦史(ライター・編集者)
【作品情報】
破墓/パミョ:表記は破墓(全角スラッシュ)パミョ/音読はパミョ
STORY:巫堂ファリム(キム・ゴウン)と弟子ボンギル(イ・ドヒョン)は、跡継ぎが代々謎の病気にかかるという奇妙な家族から、桁違いの報酬で依頼を受ける。すぐに、先祖の墓が原因だと気づき、お金の臭いを嗅ぎつけた風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)も合流する。やがて、4人はお祓いと改葬を同時に行なうが、掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていた・・・。
監督・脚本:チャン・ジェヒョン 『プリースト 悪魔を葬る者』『サバハ』
出演:チェ・ミンシク 『オールド・ボーイ』
キム・ゴウン 「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」
ユ・ヘジン 『コンフィデンシャル/共助』
イ・ドヒョン 「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」
2024年/韓国/134分/ビスタサイズ/5.1ch/英題:EXHUMA/字幕翻訳:根本理恵
提供:KADOKAWA Kプラス、MOVIE WALKER PRESS KOREA 配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
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