「合同インタビュー」カン・ハヌル 映画『ラブリセット 30日後、離婚します』 撮影現場は映画より3倍おもしろかった?!

カン・ハヌルとチョン・ソミンがW主演を務める『ラブリセット 30日後、離婚します』が、3月29日に全国公開することが決定した。日本での公開に先駆けて行われたインタビューでは、映画に出演するきっかけや撮影中の思い出、日本の印象などについて語ってくれた。

この日のインタビューは、日本にいる記者たちと韓国にいるカン・ハヌルがオンラインで進行していくもの。カン・ハヌルはインタビューが始まる予定よりも早めに入室し、彼が画面に現れると、明るい笑顔を見せながら記者たちの名前を確認したり、日本や韓国の気候について話したりして、リラックスしたムードのなかインタビューが始まった。

 

『ラブリセット 30日後、離婚します』は、映画みたいな恋をして結婚したにも関わらず、価値観の違いで離婚を30日後に控えた夫婦が、交通事故で二人が同時に記憶を失ったことで繰り広げられる、テンポよくお互いをディスり合う、最高に笑えるラブコメディー。韓国では観客動員数200万人超えのヒット作となった。映画のオファーを受けたときの印象や魅力について聞いてみると、彼はオーソドックスではない内容に惹かれたと語る。

「典型的ではないポイントがポンポン出てくるのがとてもおもしろかったんです。撮影現場でもそうでしたが、大部分が台本に書かれていました。なので、普通にもらえるような台本の感じではありませんでした。それがとても新鮮でおもしろかったですし、どんなキャラクターであれ、こういった内容の作品は簡単に出会えるようなものではないと思いました」。

劇中、カン・ハヌルは知的でイケメンだがどんくさいノ・ジョンヨルを演じている。癖の強い表情や反射的に体がビクつく動きなど、笑えるシーンが散りばめられているため、韓国では韓国版ジム・キャリーとも言われていた。ジム・キャリーの話をすると、彼は「突然ジム・キャリーに似ているという記事が出てしまって(笑)」と笑いながら答えてくれた。

「実際にジム・キャリーは好きで、昔から映画もたくさん見ていましたが、特に彼から影響を受けたわけでもないし、表情の演技について特に練習したことはありませんでした。たぶん、僕の口も目も鼻も大きいから、少しだけ表情を作っただけで笑える感じになったのだと思います(笑)。なので、特に練習はしていませんでした。あとはカメラのアングルで、上手くポイントを掴んで撮ったこともありおもしろさが増したのだと思います」。

また、ノ・ジョンヨルに似ている点や真逆な点について、彼は「似ている部分は結構あるんですけど、日本語で言ったら何ですかね。“チジルハダ(情けなくて、かっこ悪い、完ぺきではない)”部分があるのですが、例えば何かをしたときに、『あ、なんで僕はバカみたいにあんなことをしたんだろ』と思うことがしょっちゅうあるんです。あと、あまり劇中には出てきませんが、綺麗好きなところとか、そういった部分がジョンヨルと似ていると思います。真逆なところは、ジョンヨルは勉強がよくできますが僕はそうではないので、そこが違うと思います(笑)」と話した。

劇中のジョンヨルとナラが離婚する原因の一つとなった、生活習慣やクセに関連した質問もしてみると、彼は「僕は掃除することが好きなんです。2日に1回の割合で、大掃除をするように家の掃除をしています。なので、掃除をすることが習慣だと思います。あと、癖だとしたら、ぼーっとしていることですかね(笑)。ソファに座って、いつもぼーっとして過ごす場所があるのですが、そこで一日中ぼーっとしています(笑)。それが癖といえば、癖だと思います(笑)」と笑いながら話した。

本作はコメディ映画ということもあり、撮影現場の雰囲気も楽しかったそうだ。彼は「現場の雰囲気は映画で観るものより3倍おもしろかったです(笑)。現場にいた僕からしたら、映画よりも楽しかったと思うくらいでした」と振り返り、笑えるシーンを一緒に撮影したジョンヨルの友人・ギベ役を演じたユン・ギョンホや監督、ジョンヨルとナラの両家の母親を演じたチョ・ミンスとキム・ソニョンについても語ってくれた。

「ユン・ギョンホさんとのシーンがとても多かったのですが、撮影中に笑いが止まらずにNGが出ないことがないくらいでした。監督には2人でなんでもかんでもいいからやってみてという感じだったので、本当に2人でなんでもかんでもやってみたらすごく面白くて、あまりにも笑えるから撮影がストップになるくらいNGがたくさん出ました(笑)。ギョンホさんとは笑ってばかりの思い出がたくさんあります。それにプラスして監督も笑い上戸なので、監督だから撮影を進めてOKを出さないといけないのですが、監督も僕たちと一緒になって遊んでいました(笑)。3人で笑って、ちょっと撮影を止めて、また撮ってという感じでした。アドリブについては作品によって違いますが、台本通りにした方が良いなと思ったらその通りにします。今回の作品は監督とも話し合いながらアドリブを入れていきました。どのシーンだったか忘れてしまいましたが、その場の雰囲気でいくつかアドリブを入れることもありました(笑)。そんな風にアドリブを入れられるような、気楽に撮影できる作品だったと思います。監督は本当にオープンな方なので、気楽に撮影できました。なので、今後もまたご一緒したい監督です。それから、チョ・ミンス先輩については、ひと言で言いたいと思います。チョ・ミンス先輩を愛し、尊敬しています(笑)。本当に(日本語で)最高です。キム・ソニョン先輩はふた言で伝えますね。本当に学ぶところが多い先輩で、本当に一生ご一緒したい先輩です」。

ノ・ジョンヨルの妻役、ホン・ナラを演じたチョン・ソミンとは、「二十歳」(2015)以来の共演だ。

「チョン・ソミンさんとの共演はとてもいい、心地いい再会でした。どんな感じだったかというと、『二十歳』のころは、まだよくわからないことが多いなかで共演したので、自分が持っている情熱だけで撮影に臨んでいたと思います。でも今は時間が経って年も重ねてある程度わかる部分が多くなり、あの当時は僕たちの意志ではなく周りの人たちによって動かされているような受動的でしたが、今は能動的になったと思います。なので、ソミンさんも僕も以前と比べると成長したのだと考えさせられたので、とても気持ちのいい再会でした」。

本作は「主人公が別れの直前に記憶喪失になる」という斬新な設定が予測できない展開となり、面白さが増す作品だが、演じている側は記憶喪失の部分が一番大変だったそうだ。

「大変だった点は、記憶を失ってから記憶が戻る瞬間のポイントを掴むことが悩みどころだったと思います。あまりにも突然記憶が戻って急変すると、映画を観る観客の没入感に支障をきたすかもしれませんし、観客の皆さんとの感情の速度を合わせることに少し時間がかかったと思います」。

 

2006年のミュージカル「天上時計」でデビューし、「最強! うちのママ」(2007 KBS2)でドラマ初出演を果たし、「ミセン-未生-」(2014 tvN)や「椿の花咲く頃」(2019 KBS2)』などの話題作に出演しながら実力派俳優としてのキャリアを着実に重ねているカン・ハヌル。そんな中、今年で34歳を迎えた彼。『二十歳』で共演したチョン・ソミンと夫婦役を演じるまでになったが、結婚観についても変わっていったという。

「個人的に思ったことは、時間が経つにつれて考えるようになったことですが、そろそろ結婚をしなければならない時期になっているのだなという考えをするようになりました。まだ若いころに今回のような台本をいただいたとしても、そのころの僕にとって結婚というものはまだファンタジーという感じだったので、どうやって演じればいいのだろうという考えが先にあったと思います。でも、今は僕の周りにも結婚している友だちが多いですし、そういった雰囲気の中にいるので、この台本がますます理解できるようになってきました。以前はファンタジーだったのに…。なので、結婚をそろそろしなければならない時が来ているのかなという考えをするようになりました」。

本作は韓国で2023年10月3日に公開され、初日から22日間連続で興行収入1位を獲得、公開から35日で観客動員数が 200万人を超える大ヒット記録。どんな点が多くの人に受け入れられたのか聞いてみると、彼は「うーん、僕が思うに…。内容が難しくて深みのある物語を扱う作品が好きな人も多いと思うのですが、今は経済的なことで全体的にすごく落ち込んでいることもあり、難しい時期であると思います。そんな時こそ、映画館で観られるエンターテイメントとして内容的にライトで笑えるような作品を選ぶ人々が多いのではないのかなと、その当時は思いました。運も良かったと思いますが、当時は気楽にたくさん笑えるような作品を求める人が多かったからではないでしょうか」と話し、日本で公開される心境について「日本で公開されることについては、日本の文化的な流れや韓国の流れが少し似ている面があると思っているので、たぶん『ラブリセット30日後、離婚します』は日本の皆さんも気楽に観て笑える作品になるのではないかと思います」と話した。

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2024.03.25