元気よくステージに登場した5人は、最新曲「U&I」でライブをスタートさせた。シュウトの歌いだしが切ないセンチメンタルなバラードに、ヒョンユルのギターソロが華を添えると、続けたニューシングル「U&I」のカップリング曲「Stay With You」では、一転してツインボーカルの妙が青春の疾走感をフロアにまき散らす。
リーダーのヒョンユルが「2024年、ちょっと明けすぎたんですけど……、あけましておめでとうございます! 今年もRaSiDo(ファンの名称)の皆さんと幸せな1年を作っていきたいので、よろしくお願いします!」と挨拶し、「「U&I」は、僕たちにとって初ドラマ主題歌、そして初ツアーのタイトルに。僕たちに初めての経験をたくさんさせてくれたこの特別な初CDは、RaSiDoの皆さんのおかげでリリースすることができました」とファンに感謝を伝えると、シュウトが「お祭りのような気分で盛り上がれるセットリストを用意しました。シングルはもちろん、あんな曲やこんな曲もたくさん準備しています!」とライブへの期待を高めた。
そのシュウトの言葉通り、セットリストには意外なカバー曲が並んだ。今回、初披露されたカバー曲は、【Hi-Fi Un!corn】の末っ子・ミンの力強いドラムサウンドが印象的で「自分達の音楽でHi-Fi Un!cornの時代を作っていくぞ!」というメンバーの強い意志が感じられた「新時代」(Ado)、アメリカ留学経験のあるテミンの英語力が光った「Seven」(BTSジョングク)、ファンがタオルを回した「残響散歌」(Aimer)、バンドアレンジが効いた「炎」(LiSA)。そして初ワンマンでもファンを驚かせた嵐の「Love so sweet」と共に、バンドアレンジしたKing&Princeの「シンデレラガール」が前回を上回る衝撃を与えてくれた。さらに初ワンマン時にも披露した「Don't Look Back In Anger」(Oasis)、「猫」(DISH//)、オーディション時や先輩バンドのオープニングアクトステージでも披露したもはや定番ともいえる「ドライフラワー」(優里)に加え、「Way Back Home」(SHAUN)は英語と韓国語のミックスバージョンで聴かせた。「皆さん、カバー曲どうでしたか?」とシュウトが問いかけると、ファンが前回のワンマンでお約束となった「チャレッソ、チャレッソ、チャ~レッソ(よかった)」と返し、「これからもいろいろなジャンルに挑戦していきます」とテミンが息巻いた。
K-POP界を代表するバンド、FTISLAND、CNBLUE、N.Flyingらが所属する事務所FNC ENTERTAINMENTの新人バンドであり、その先輩バンドたちがプロデューサーとなって指導したオーディション番組『THE IDOL BAND:BOY'S BATTLE』出身の【Hi-Fi Un!corn】だけに、先輩バンドたちのカバー曲にも挑戦。これまでにも先輩たちとのコラボやカバーはしてきたが、今回はいずれも初挑戦曲で臨んだ。N.Flyingの「Kick-Ass」では同じツインボーカルバンドとしてボーカリスト2人のカラーが楽曲の魅力を引き立て、勢いそのままミンのドラムソロで繋げたスピード感あふれるFTISLANDの「Flower Rock」では、ミンのドラムとギユンのベースのリズム隊が煽りたてる。
また今回は、バンドだけでなく昨年末に開催された事務所のファミリーコンサート『2023 FNC KINGDOM - Greatest Show –』でSF9のユテヤンとコラボしたSF9の「Good Guy」も披露。テミンとシュウトがサビでセクシーなウェーブの振付に挑戦して会場を沸かせたが、シュウトは「FNC KINGDOMでテヤン先輩がいろいろなことを教えてくださったおかげで、自信を持ってパフォーマンスすることができました」という。ヒョンユルは「オーディション番組のプロデューサーの曲を後輩としてカバーできて嬉しい」と改めて1年前を振り返ると、テミンは「オーディション番組が終わってから、僕たちの生活はめまぐるしく変化しました。でもその変化が楽しいし、その変化のおかげで皆さんの前に立てています。いいきっかけをくださった先輩に恩返しできるように頑張ります」と決意を語った。
本編最後は、再びオリジナル楽曲をプレイ。テミンが「幸せで暖かい気分にしてくれる曲。今回のツアーで初披露する、僕が大好きな曲です」と紹介した軽やかなポップチューン「Icecream Girl」と、オーディション番組で彼らを優勝に導いた「DoReMiFa-Soul」で【Hi-Fi Un!corn】らしさを主張。イントロで会場から歓声が上がったキャッチーな「DoReMiFa-Soul」では、「君がいれば」という歌詞を「RaSiDoがいれば」に替えて歌うという場面も見られ、会場中がリズムに合わせて手を左右に振り一体感が最高潮に達した。
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