――ナラさんは、アドリブに対応するのは大変ではないですか?
チャン・ナラ:私はアドリブをたくさんする方ではないので、アドリブで返すというよりも、ただリアクションをすることで対応しています(笑)
チャン・ヒョク:ナラさんがかっこいいのは、スルーしてしまってもいいような小さな部分にまで神経をとがらせ、様々な角度からシーンを研究するところです。
昔からそういうタイプでしたが、今でも演技に対する誠実さを忘れていないのは素晴らしいと思います。
――チャン・ヒョクさん演じるドフンの職業はスパイです。チャン・ヒョクさん自身は、自分が“スパイ”に向いていると思いますか?
チャン・ヒョク:あはは。僕はスパイよりも、メロジャンルの方がよく似合うタイプだと思います(笑)
ドフンは平凡な家長として、平凡な生活を送っていますが、実は、“平凡なフリをしている”だけですよね。
僕だったら、家族をだましていることに対する申し訳なさを感じると思いますし、スパイという職業が持つ孤独だったり、
職業的な苦労だったりに耐えられない気がします。家族の誰かが“スパイ”だという状況も幸せではないと思います。
――チャン・ナラさんは、夫であるドフンが“スパイ”であることを知らない妻ユラ役です。
もしご自身の旦那さんがスパイで、その事実を知ることになったとしたら、どうなると思いますか?
チャン・ナラ:事実を知った日は修羅場でしょうね。でも結局は、その現実を受け入れると思います。
だってそうするしかないじゃないですか。それに、ドフンは国家のために働く“国会公務員”スパイなので、悪いことをしているわけでもないし、
待遇も悪くないと思うので……(と言って、ひとりで大爆笑)受け入れるんじゃないかな。
でも、危険な仕事なので、事実を知った日は、怒り爆発だと思います。
チャン・ヒョク:心配ですよね。何があるかわからないし。
チャン・ナラ:心配もありますし、知らされてなかったという落胆もありますし。それらすべてが「怒り」となって出てくると思います。
――ちなみに、チャン・ナラさんは、ご自身がスパイという職業に向いていると思いますか?
チャン・ナラ:いいえ(即答)。私をスパイとして雇った国家や企業はつぶれると思いますよ(笑)
私は、うれしい時は10秒もたたないうちに表情が明るくなりますし、怒った時にはすぐに首から耳まで真っ赤になるんです。
私のようにすぐに顔に出るタイプは、スパイになってはいけないと思います。
チャン・ヒョク:ナラさんの気分は、天気と同じなんですよ。
チャン・ナラ:あはは。
チャン・ヒョク:ものすごくわかりやすい。僕も今では「今日は冗談を言ってもいい雰囲気の日だ」とか、
「今日は少し近づかないようにしよう」とわかるようになりました。
雲行きが怪しい時には、遠くから様子を見ていて、少し時間が経ってから、声をかけるようにしているんです。
チャン・ナラ:あはは。何を言っているんですか(笑)私、普段から機嫌がいい方だと思いますよ?
チャン・ヒョク:冗談ですよ。明るくて、いつも笑顔ですよね。ほとんどの日は。
チャン・ナラ:全くもう!(笑)
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