「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.261「ソ・イングク主演の『オオカミ狩り』」

ソ・イングクが恐ろしい凶悪犯を演じるということで話題になった映画『オオカミ狩り』。共演陣も多彩で、チャン・ドンユン、ソン・ドンイル、パク・ホサン、チョン・ソミンといった人気俳優が多数出演している。
主役のソ・イングク(2022 THE CONTENTS ON & CONTENTS G & CHEUM FILM CO.,LTD. All Rights Reserved.)


ソ・イングクの意欲作

ソ・イングクが演じるのは、第一級殺人の国際手配犯となっているジョンドゥだ。この凶悪犯を演じるにあたり、ソ・イングクは全身にタトゥーを入れて大胆なイメージチェンジをはかっている。さらに、凄みを出すために、16キロも体重を増やして徹底的な肉体改造に挑んだ。
実際、ソ・イングクが出している迫力は強烈で、「あのソ・イングクが……」とビックリしてしまう。
とはいえ、観客にそう思わせるということは俳優として大成功だ。彼は俳優のキャリアに貴重なキャラを加えたのである。
そんなソ・イングクの意欲作となった『オオカミ狩り』。韓国では「映画史上で一番残忍な作品」と称された。
とにかく、全編にわたって残忍なシーンが出てくる。見る人によっては目を覆ってしまうだろう。しかし、ストーリーは本当によく出来ている。


共演陣も充実している

『オオカミ狩り』の舞台になっているのは太平洋上を航行する貨物船だ。しかし、ただの貨物船ではない。フィリピンから釜山(プサン)に多数の極悪人を移送する船なのである。
警備用の多数の警察官も乗っていたが、内通者によって船内が大混乱に陥り、凄惨な殺し合いが始まってしまう。
さらに、謎めいた「怪人」が目覚めて暴れだして、貨物船は地獄と化す。そんな恐ろしい現場になっても、人間の勇気や英知が試される。その究極的なサバイバル精神を映画は丹念に追っていく。
ソ・イングクの他には、『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』で大ブレークしたチャン・ドンユン、海洋特殊救助団のチーム長に扮したソン・ドンイル、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』で素敵な長男を演じたパク・ホサン、女性刑事として奮闘する役に挑んだチョン・ソミンなどが印象的な演技を披露していた。
4月7日から新宿バルト9ほか全国公開されており、本当に話題の注目作になっている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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2023.04.08