<W解説>韓国で「日本アニメブーム」=「すずめの戸締まり」は公開13日目で観客200万人超

「すずめの戸締まり」を観た韓国の観客からは「映像美はもちろん、OST(挿入歌)がその感動を倍増させている」「絶対また観る。新海誠は天才だ」「監督が伝えるメッセージ、演出、OSTまで、本当に素晴らしい」などと作品を絶賛する声が続々と上がっている。

スポーツソウルは「すずめの戸締まり」の反響について「同時期公開の他作品と比べて、1日あたりの観客動員数が圧倒的だ。まさに3月の劇場街を総なめにしたと言っていいほど桁違いのヒットだ」と伝えている。

今年韓国で公開された映画のうち、現時点で観客動員数が200万人を突破した映画は1月に封切られた「THE FIRST SLAM DUNK」と「すずめの戸締まり」の2作品のみで、いずれも日本作品だ。


「THE FIRST SLAM DUNK」は原作漫画「SLAM DUNK」が韓国で出版された当時学生だった30~40代を中心に関心を集めているという。「タイムマシーンに乗って学生時代に戻ったようだ」と懐かしむ声も聞かれる。韓国でのヒットの理由について、韓国の映画・アニメーション文化に詳しいセジョン(世宗)大学のハン・チャンワン教授はNHKの取材に「原作が出版された90年代前半は韓国は経済成長を遂げた時期だったが、90年代後半に入ると経済危機が訪れた当時の学生たちにとっては希望を感じられない時代となった。そんな時期に主人公たちが強豪校に挑んで勝ち進んでいく姿に希望を感じた人も多いと思う。それから20年以上たって、その世代が再び作品に触れて感動した。自分も頑張っていこう、挑戦していこう、そんな気持ちにさせたのではないか」と分析した。

「THE FIRST SLAM DUNK」は既に観客動員数400万人を突破。現在も人気が衰えることはない。

韓国で「日本アニメブーム」が続いていることに、韓国紙の中央日報は「K-POPや韓国ドラマ、ウェブトゥーンブームでKコンテンツが日本を超えたという認識が普遍的な状況の中で、低迷した韓国の劇場街を日本コンテンツが占領しているため、なおのこと興味深い」とし、「大衆文化の強大国、日本が突然立ち上がった。2018年から続いた『ノージャパン』はどこに行ったのか」などと驚きを持って伝えている。

WOW!Korea提供

関連記事

2023.03.28