――日本に来たことはありますか。お気に入りの場所や、次回訪れたらやってみたいことを教えてください。
是枝裕和監督の作品が好きで、『海街diary』のロケ地鎌倉を訪れたこともあります。『海街 diary』に登場するお店に行ってシラス丼を食べたり、自転車に乗って海辺を走ったり。『SLAM DUNK』に出てくる踏切を見て不思議な気持ちになったり。
――『SLAM DUNK』も好きなんですね。
はい。今、映画が人気ですが、学生時代にもすごく流行っていたんです。『SLAM DUNK』は、ライバルでも悪い人はいませんよね。イラストを描くときのポジティブな姿勢も、もしかすると『SLAM DUNK』』の影響を受けているかもしれません(笑)。
――3月は、日本では学校や仕事など、新しいことに向けて動き出す季節になります。新しい未来に向かう人に、本書からおすすめの文章を教えてください。
わたしは「やり直せばいい」という言葉が好きなんです。何度もやり直すことで、自分に新しいエネルギーが湧き、想像もしなかった新しく面白いことが起きるかもしれない。だから、「やり直す」ことを怖れずに、一歩を踏み出してほしいと思います。そばにいる誰かをお互い応援しながら。
“はじめての場所に行くときは
道を間違えてはいないかと、何度も地図を確かめる。
周りをよく見て、標識通りに進み
道を尋ねたりもするけれど、
それでも、
とんでもない場所にたどり着いてしまうことがある。
そんなときわたしは、出発点に戻って道を探し直す。
方向音痴だから
ちょっとは焦ってまごつくけれど、
また同じ道を進む過ちは繰り返さない。
次に進んだ道がまた間違っていたとしても
最初にいた場所に戻って、出直せばいい。
目的地までたどり着くのに
時間が少し余計にかかるだけ。
やり直せば、それでいい。
苦労してやっと見つけた道ならば
二度と迷うことはないはずだから。”
取材、文・桑畑優香
【著者略歴】
ソン・ミファ
画家。エッセイスト。1982 年生まれ。美術学校に通いアートセラピーを学ぶ。他書に『나의 서툰 위로가 너에게 닿기를(わたしの不器用なやさしさがあなたに届きますように)』『어떤 날에도 위로는 필요하니까 (どんな日でも慰めは必要だから)』(いずれも未邦訳)がある。
桑畑優香 (訳)
翻訳家、ライター。早稲田大学第一文学部卒業。延世大学語学堂、ソウル大学政治学科で学ぶ。「ニュースス テーション」のディレクターを経てフリーに。多くの媒体に映画レビュー、K-POP アーティストのインタビ ューを寄稿。『家にいるのに家に帰りたい』『それぞれのうしろ姿』(小社刊)、『BTS を読む』(柏書房)など 訳書多数。
【書籍情報】
書名:あなたを応援する誰か
著者:ソン・ミファ
発行:2023 年 1 月 31 日
判型:四六変型判
ページ数:240 頁
定価:1,430 円(税込)
刊行:&books(辰巳出版)
Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4777829812/
楽天ブックス
https://books.rakuten.co.jp/rb/17390248