<W解説>「スラムダンク」、韓国で人気を高めた“仕掛け人”がいた!?

 

「THE FIRST SLAM DUNK」公開に際し、漫画「SLAM DUNK」の原作者で映画の脚本・監督も手掛けた井上雅彦氏は「新たな角度と視点から見た『SLAM DUNK』を作った」とし、「結局根っこは全て同じで、『SLAM DUNK』を既に知っていても、こんなSLAM DUNKもあるんだという気分を感じてほしい」と話している。

韓国では、映画のヒットに続き漫画本の人気も再燃。「SLAM DUNK」の翻訳版を韓国に出版社、大元C.I.が発刊している。2018年に発刊された前出の「SLAM DUNK新装再編版」は先月14日までに販売部数が100万部を超えた。新装再編版は全31巻のオリジナルバーションを20巻にまとめたものだ。また、同社は1月からこれまでに「SLAM DUNKオリジナル」62万部、「SLAM DUNK完全版プレミアムボックス版」19万2000部、アニメーションの制作記録や単行本未収録の短編映画「ピアス」を収録した「THE SLAM DUNK re:SOURCE」8万部、雑誌サイズの「スラムダンク チャンプ」7万部を発注した。


聯合ニュースは「SLAM DUNK」の韓国人気の「仕掛け人」として大元C.I.のファン・ミンホ(黄敏浩)社長を紹介した。ファン氏は聯合のインタビューに「50日間で140万部を発注し、100万部を発行しました。入社して32年で初めてのことです。こんなに短期間に(漫画本を)これほど増刷したことはありません」と語った。

ファン氏は、映画が公開される前から注文量が増えることを予想して在庫をある程度確保していたというが、それを上回る人気ぶりとなった。


日本にはない前出のプレミアムボックス版は、2006年にファン氏が作者の井上氏に提案して韓国で発行した。その後、15年にオリジナル版を再発行、18年には全20巻の新装再編版を出版した。ファン氏は聯合の取材に「『SLAM DUNK』が過去の漫画にならず、現在進行形の漫画になるよう、新しいバーションを出し続けてきた」とその狙いを説明した。

ファン氏は「以前は2万セット(40万部)が最高だったが、今では7万セット売れるということは、これまで『SLAM DUNK』を見ていなかった新しい読者が流入したという意味」と分析した。ファン氏の狙い通り、SLAM DUNKは「現在進行形の漫画」となっている。劇場版も、公開当初はかつて原作を読みふけった30~40代が中心だったが、次第に10代・20代も関心を持ち、劇場に足を運んでいるという。

WOW!Korea提供

2023.03.01