「個別インタビュー」ノ・ミヌ 、ミュージカル挑戦やドラマ出演、さらに親友のあの人の話しから将来のビジョンまでたっぷり語る


歌手・俳優として韓国はもちろん日本でも活躍しているノ・ミヌ(MINUE)が、彼が所属する事務所のイベント「“n.CH WORLD Live 2022” in Japan」に参加するために来日。

ノ・ミヌは2004年にロックバンド「TRAX」のメンバーとしてデビューし、脱退後は俳優業に力を入れながらも精力的に音楽活動を続けている。そんな彼は今年はじめに新たな所属事務所「n.CHエンターテインメント」に移籍。デビュー18年目にして初めてミュージカルに挑戦したり、後輩とともにライブでコラボをしたりと、今後も多方面に渡り活躍することが期待されている。さらに1月6日に韓国で放送されたMBCの金土ドラマ「禁婚令、朝鮮婚姻禁止令」第7話に、実弟のI’llと共に特別出演を果たした。

今回はミュージカル公演ですぐに韓国に帰らなければならなかったため、「“n.CH WORLD Live 2022” in Japan」の東京公演翌日の午前中、忙しい合間を縫ってインタビューに応じてくれた。「前は夜型だったけどミュージカルで朝早く起きるようになったから朝方になった」と笑顔を見せる彼に、ミュージカルに挑戦したことで得られたこと、親友のジェジュンとの話、将来のビジョンなどについて語ってもらった。

-- まずは「“n.CH WORLD Live 2022” in Japan」東京公演を終えて、いかがでしたか?
ノ・ミヌ:凄く嬉しかったし、凄く久しぶりに皆さんの大きい声を聞けて幸せな時間でした。コロナが終わってから、またたくさん会いたいなって思いました。日本に来て、待ってくれたファンの皆さんの声援を聴きたいなと思いながら歌っていました。やっぱり(ファンの)声が聞こえるっていうのは違いますよ。5月は(ファンが)叫ぶのがダメだったんです。なので、なかなかテンションを上げるのが難しくて・・・。その時も一応頑張ったんですが、昨日はすごくスッキリした感じがしました。

-- 今回は単独のイベントではなく、後輩達とコラボすることもありました。後輩達を見ながら思ったことは?
ノ・ミヌ:気合いが凄いなと思ったし、みんな可愛かったです。準備もしっかりしていて、そういう姿をリハーサルをしながら見ていたのですが、その努力の時間が本番の舞台の上で事故無く上手くできたら良いなって思うようになり、僕の方が逆に緊張していてと思います。今回は僕だけのコンサートじゃないから、どうやったら一緒に「n.CH WORLD」の世界観を伝えられるのか、プロデューサーの代表と話すところから始まりました。それで(後輩達と)一緒にコラボすることにしましたし、ミュージカルの曲を歌ったり、いろんなものを取り入れました。

-- 後輩を見ていて、デビュー当時を思い出すこともあったのではないでしょうか?
僕は昔とあまり変わってなくて、性格的にもそうだし、10代の頃からこういった落ち着いているっていうか、波がないタイプなんです。今の会社の代表と副社長さんも、僕がデビュー当時から知っているお兄さんたちでしたし、副社長さんは10代の頃に僕が活動していたときのマネージャーだったんです。日本ではライブハウスで結構ライブをしていたんですけど、あの時から今の僕の成長している姿を見て副社長さんが涙を流すくらい感動していたみたいです。僕は「そっかな?」みたいな感じでしたが(笑)。僕自身は心もそうだし、あまり気持ちは変わってなくて、わかんないんだけど・・・って感じでした(笑)。

-- 今年は事務所を移籍し、デビュー後初めてミュージカルに挑戦されました。ミュージカルに挑戦したいと思ったきっかけは?
ノ・ミヌ:デビューして18年経っていますが、いろいろやってきました。でも、何をやっても緊張感というものが感じられなくて・・・、それって良いことでもあるけど、“生きてる“って感じにならなくて・・・。なんだろう・・・。精神的に倦怠感があったんです。コロナもあったし、ライブもミュージカルもストップして、ライブっていう生で伝えられるものができなくなったので、いろいろ運動にも挑戦してみたけど、この2年間は自分の倦怠感をどうしたら終えられるのかということを探求していく時間でした。もともと「エリザベート」は5年前からオファーがきていたのですが、当時は怖かったんです。ミュージカルってやったこともないし、「僕、できるのかな・・・」って。でも、5年前からオファーが来ているってことは意味があるんじゃないかなと思って「やります」って返事をしました。それでやることになって、その後から倦怠感がなくなったんですけど、めっちゃ怖かったんです。でもそれが“生きてる”っていう気分がして嬉しかったです。僕を期待してくれているファンの皆さんにこのような新しい挑戦を通してどうやって成長していくのかを見せる時間・・・、「ing」だったから、それを見せることができて、楽しくて、今回の挑戦は良い時間となりました。

-- では今後もミュージカルを続けたいと思ったのではないでしょうか?
ノ・ミヌ:これからもミュージカルはずっとやりたいなと思っちゃいました。僕が最初に怖いと思ったのは、韓国でもミュージカル専門の方がいて、その方々を応援するファンも多いので、もともと専門じゃないような芸能人がミュージカルをすると、ミュージカルファンにとっては嬉しくないことなんです。なので、最初はよくないコメントもありましたが、僕はそれが逆に嬉しくて、「それじゃ見せてやる!」っていうスイッチが入って、そこから今ではチケットはソールドアウトになるくらいになりました。そこまでくるまでの時間もすごく大切な時間になっているし、「人間ノ・ミヌ」として成長したんだなと思って、すごく大切な時間でした。

-- 役者として、歌手として表に出る方で活躍されていますが、ミヌさんは何でもこなせるので、今後は演出側、例えば映画監督など、ご本人はどのように考えていらっしゃいますか?
ノ・ミヌ:自分も音楽監督をやったりPVの監督をやったりはしていましたけど、そんなに大きな作品ではなく、少しずつ自分がどこまでできるのか、ウォーミングアップみたいにやるように意識はしています。それが結局未来には映画監督になって、音楽監督になって、自分でシナリオを作りたいという夢はあります。いつか・・・。昔、「ヘドウィグ」という映画を観たことがあって、今でもその映画が頭の中に残っているんですけど、その監督って自分がアクターで自分が監督になって、音楽も自分が作っているんです。そのことを知ってすごくショックを受けたんです。自分の世界観を映像に作るってことは簡単なことではないじゃないですか。なので、ああいった感覚を育てるためのウォーミングアップだとずっと意識して生きています。

-- そういった気持ちもあって、ドラマ「芸能人マネージャーで生き残る」に、俳優で天才的な映画監督というキャラクタ-役でに出演されたのでしょうか?
ノ・ミヌ:そのキャラクターは宇宙人みたいな面白いキャラクターなので僕が見ている未来の監督像とは違っていて(笑)、あのキャラクターもやっぱり自由人なキャラクターなので、ドラマの監督さんは僕に自由人のキャラクターを演じてほしいと言われました。僕の家族もみんな僕に対して自由人って言うんですけど、僕って自由人に見られているのかなって思いました(笑)。

-- 出演してみていかがでしたか?
ノ・ミヌ:面白かったですし、楽しかったです。監督さんもスタッフさんも俳優さんもみんな優しくて楽しい現場でした。

-- では、ミヌさんが実際に作りたい作品はどんな作品ですか?
ノ・ミヌ:僕はやはり音楽の作品を作りたいです。音楽映画って難しいし、音楽を本当に詳しくディテールを全部理解している人じゃないとなかなか難しいジャンルだと思っています。音楽映画が少ない理由も難しいからだと思います。韓国にもあまりないし、なのでそれをずっと研究している気持ちではあります。「監督ノ・ミヌ」となるときは、白髪になっているかもしれませんが(笑)。その日が早く来たら嬉しいなって思っています。僕は、最初のボタンをかけるように、ちゃんとスタートしたいので・・・。「このくらいならOK」という中途半端なことはなしで、考えたこと、頭の中のものをそのまま作ることができるようになったタイミングがきたときに作ってみたいです。

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2023.01.17