「コラム」康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.248「『愛と、利と』が面白い」

韓国JTBCで放送されている『愛と、利と』は日本でもNetflixで配信中だ。主演はユ・ヨンソクとムン・ガヨン。ソウル市内の銀行の支店が舞台になっており、銀行員の仕事と恋愛事情が細かく描かれている。

画像=JTBC

銀行の職員

ユ・ヨンソクが演じる係長のハ・サンス。とても誠実な銀行員であり、顔見知りの客が高齢者で口座の残金が不足しているとわざわざポケットマネーを入金してあげる優しさがある。趣味はアイスホッケー。ハードなプレーでストレスの発散をしている。
ムン・ガヨンが扮するアン・スヨンは窓口係を担当している。仕事がとてもできるのだが、学歴がないので契約社員のままだ。それでも容姿端麗で、男子社員の間では「支店の女神」と称されている。
2人は一時期、お互いに好意を寄せあってデートもしている。しかし、レストランで約束をした夜、ハ・サンスは仕事のトラブルで大幅に遅刻してしまい、結果的にデートをすっぽかす羽目になってしまった。
それ以来、アン・スヨンに無視されてしまった。ハ・サンスのイライラは募るばかりであった。

愛と利害関係

ハ・サンスとアン・スヨンの日常を『愛と、利と』は細かく描いていく。
2人の状況も刻々と変化する。たとえば、ハ・サンスの大学時代の後輩が代理として支店にやってくる。彼女は学生の頃からハ・サンスに好意を持っていた。
一方、アン・スヨンと急に親しくなっていくのがイケメンの警備員だ。彼は正規の職員をめざして頑張っている。その姿をアン・スヨンも応援していく。
彼女は家庭環境の難しさも抱えている。愛する弟が若くして亡くなり、それが父のせいだとアン・スヨンが思っている。それなのに、父は支店のそばに食堂を開いて娘にからんでくる。それがよけいにアン・スヨンは許せないのだ。
こういう展開で『愛と、利と』はスリリングに進んでいく。銀行というピリピリするような職場環境の中で、純粋の愛と出世競争はどう結びついていくのか。
『愛と、利と』は主役2人の魅力も全開となり、ますます面白くなっている。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

2023.01.07