韓国・ソウルの繁華街、イテウォン(梨泰院)で先月29日夜に起きた大規模な転倒事故。日本人2人を含む155人が死亡した。犠牲者は10代、20代の若者が多い。2014年に高校生ら約300人が犠牲となった旅客船セウォル号以来の大惨事となり、国民は深い悲しみに包まれている。
3年ぶりに新型コロナウイルスの行動制限がない中でハロウィーンの時期を迎えたことから、梨泰院は事故当時多くの人たちでごった返していた。29日午後10時ごろには10万人を超す人たちが訪れていたとの情報もある。
梨泰院を含め、韓国各地の繁華街は少しずつ賑わいを取り戻しつつあったが、韓国では今回の大惨事を受け、イベントなどの延期や中止などが相次いでおり、再び国全体が暗い雰囲気に包まれている。
ソウル近郊のヨンイン(龍仁)にある国内最大のテーマパーク「エバーランド」では、来月20日まで実施する予定だったハロウィーンプログラムを中止することを決めた。南部の釜山では30日に開催予定だったアジア最大級の韓流イベント「釜山アジアフェスティバル」のK-POPコンサートを中止した。トップクラスのアーティスト13組が出演予定で、4万人の観客が見込まれていた。
人気男性グループ、「EXO(エクソ)」のCHEN(チェン)は31日に予定していた3枚目のソロミニアルバムの発売を暫定的に延期した。所属事務所のSMエンターテインメントは「犠牲者に哀悼を表する思いから下した決定」と説明している。そのほか、女性グループ「IRRIS」や男性グループ「DRIPPIN」も新曲の発売を延期した。
日本で行う公演では、歌手のジェジュンが30日に名古屋で開催する予定だったライブ「J-JUN LIVE TOUR2022~Fallinbow~」が開演約2時間前に急きょ中止が決定した。ジェジュンの日本の公式サイトでは「本日の公演を楽しみに待っていてくださった皆様に対し、このような判断となりましたことを深くお詫び申し上げます」などと告知文が掲載され、ファンに理解を求めた。
テレビ番組の放送休止も相次いでいる。SBSの音楽番組「人気歌謡」は30日の放送を休止とする措置を取った。公共放送KBSの「全国のど自慢放送」も同日の放送を取りやめた。
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