9月14日にJapan 5th Mini Album 『Feelin’ Like』をリリースしたPENTAGONが、ニューアルバムをひっさげて3年ぶりに日本公演を開催した。当初は9月16日から17日の2日間を予定していたが、ファンからの熱い声援により9月15日の追加公演が決定。3日間の公演すべての席が完売となり、PENTAGONの高い人気を証明した。
本記事では追加公演となった9月15日のコンサートをレポートする。
約3年ぶりのコンサートともあり、開演前から会場はファンの期待感に満ち溢れていた。
開演時間になると、BGMとして流れていた「Feelin’ Like」の音量が大きくなり、会場を照らすペンライトも激しく揺れはじめ、音楽に合わせて自然と手拍子が沸き起こった。疾走感あふれるサウンドが響くと、ステージ頭上に設置されたPENTAGONのロゴが七色に変化。会場はクラブさながらの華やかな雰囲気に包まれた。メンバーの登場を待ちわびるファンの視線がステージに向けられると、黒と白を基調としたシックな衣装でPENTAGONが登場!客席からは、思わず歓喜の声が漏れた。ファンの喜びの笑顔があふれるなか、オペラ歌手のようなジンホの迫力ある高音ボイスが響き渡ると、一曲目の「The Game」から幕を開けた。ヨウォンの「What’s Up Tokyo!」と叫ぶ声に、客席もひときわ熱くなる。ロックとオペラ、エレクトロが調和したユニークなサウンドに乗せて、エネルギッシュに披露した。続けて2曲目の「Feelin’ Like(Japanese ver.)」では、セクシーで熱っぽいボーカルと落ち着いたトーンのクールなラップ、フェイスラインがポイントとなるダンスパフォーマンスで会場を沸かせた。
「PENTAGONが来ました!」というシンウォンの明るい挨拶から始まったMCでは、さっきまでのセクシー&クールな姿とは一変し、UNIVERSE(ファンの呼称)に会えた喜びに頬を緩ませるメンバーたち。ジンホは「久しぶりの日本ですごく嬉しいです。でも、みんなで来られなくて寂しいです。今日、いないメンバーの分まで頑張るからUNIVERSEのみんなも思いっきり楽しんでください」と心を弾ませた。
続けてキノは「実はユウトと練習していたけど、ユウトが(日本語の)台本のほとんどを準備してくれました。僕たちがユウトの分まで頑張っていますけど…。僕たちの実力はまだまだですが頑張ります」と意気込んだ。
また、3年ぶりのコンサートを開催する今の気持ちを聞かれたヨウォンは「会いたかったから、今日がみんなの誕生日です!」と伝えると、メンバーが「♪お誕生日おめでとう~」と歌い出してテンションも高め。ウソクも「僕は楽しみで、楽しみでワクワクです」と高揚する胸の内を明かした。
さらにシンウォンは「皆さんは今、どんな気持ちですか?」と投げかけながらも、「あ、声は出せませんよね~」とイタズラっぽい表情を浮かべて、ファンの笑いを誘う。そんな風におちゃらけながらも「歓声の代わりに大きな拍手をお願いします!」と伝え、次の曲へ。
“恋に落ちる”か“恋を勝ち取るか”というテーマのミニアルバム『LOVE or TAKE』から、軽快なポップ・ロックナンバー「DO or NOT(Japanese ver.)」、「BABY I LOVE YOUT」と続けて披露し、たくさんのハートを送りながら甘い歌声でファンの心を満たしていく。
メンバーそれぞれの魅力あふれるユニットやソロステージも繰り広げられた。陽気な口笛と軽快なビートが魅力の「Cerberus」では末っ子ラインのウソクとキノに加えて、シンウォンが入りアグレッシブでパワフルなステージを披露。ユニークなリリックでラップをかまし、3人がステージ中央に集まって楽しそうに乗る姿に会場もノリノリ。
会場の興奮がさめやらぬ中、続いてステージに姿を現したのはヨウォン。彼は「今日の雰囲気はめっちゃ熱いですね。なので、めっちゃ静かな音楽を聞かせます」と伝えてソロ曲へ。落ち着いたエレキギターの音色が会場に響き、バラード曲を披露するかと思いきや、ドラムのシンバルカウントと同時に激しいギターサウンドが唸りを上げた。情熱的な赤いライトが会場を包み込むと、「みなさん! Stand Up! 1、2、3、Go!」という叫び声と共にロックバンドのボーカルに急変。レディー・ガガの「Poker Face」を、激情を込めてシャウトした。ヨウォンは片足をスピーカーに乗せてマイクを握りしめて歌ったり、拡声器を使って叫んだり、頭を上下に振ってヘドバンをしたりと完全にロック歌手。最後は「I love you guys!」と叫んでステージを後にした。
ロックな雰囲気は続き、ズンズンと刻むギターサウンドが響く中、ウソクが登場。未公開曲「G.O.N.E」を披露した。この曲は複雑な社会から抜け出したい気持ちが込められた曲。ステージを左右に行き来しながら気だるげなフロウでラップ。激しくシャウトしたり、ステージを走り回ったりする奔放さに惹きつけられる。
続いて、白のワンピースを着た女性ダンサーがステージにスタンバイすると、キノのソロステージへ。8月にリリースしたばかりのソロアルバムのリード曲「POSE」をセクシーに、妖艶にパフォーマンス。「僕を見つめるその目が毒 君を見た瞬間かたまってしまうポーズ」と、艶っぽい視線を送りながら歌い、人差し指と中指を立てて額から顔に沿ってゆっくりとなぞっていく“POSE”ダンスで誘惑。会場にいる誰もがキノの魅力に引きずり込まれていった。
メンバーもキノの曲にどっぷりハマっていて、シンウォンは「僕と同じPOSE~ちょっと待って~♪」と日本語で歌ったり、“POSE”チャレンジを1人で披露したいと言って踊ることもあった。彼なりにセクシーな表情で“POSE”チャレンジをするものの、その真剣な姿が逆に笑いを誘い、会場からはクスクスと笑いが漏れることも。
そんなグループのムードメーカー、シンウォンはソロステージで用意されたウイスキー(に見せかけたお茶)を一口飲んで「あぁ~っ!」と唸って笑いを取りつつも、弾き語りを披露。黄昏色のライトに包まれる中、The 1975の「102」をアコースティックギターの温かみのある音色に乗せて、甘く儚い歌声を響かせた。
しっとりとした雰囲気は続き、ベンチに座ったジンホがステージに現れると、幻想的なアコースティックギターの音色が広がった。ジンホは、映画『タイヨウのうた』のOST「Good-bye days」をソロステージの曲にセレクト。ジンホは韓国創作ミュージカル『タイヨウのうた』に出演したこともあり、今回の曲を選んだそうだ。柔らかくて伸びやかな歌声で映画の物語の世界へと誘い、メインボーカルとしての実力を改めて知らしめた。
そして、メンバーの歌唱力の高さが引き立つ楽曲へと続く。透明感のある歌声が魅力の「Seasons(Japanese ver.)」、アカペラの重なり合う美しい歌声が印象的な「Don’t」、偽りの恋だったことに気付きながらも愛していたことをエモーショナルに叫ぶ「DAISY(Japanese ver.)」、ジンホの突き抜けるような美しいハイトーンボイスが映える曲「Beautiful Goodbye(Rock ver.)」などを繰り広げ、ファンの心を満たした。
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