韓国には文化・芸術界で兵役に対する42の恩恵がある?


韓国ボーイズグループ「BTS」の兵役特例の有無をめぐって議論されている中、最近、国民の力ソン・イルジョン政策委議長が既存の制度の公平性を指摘していることが分かった。

ソン政策委議長は先月15日、MBCラジオ番組「キム・ジョンベの視線集中」に出演し、「現在(韓国)国内の42の兵役に対する恩恵を与える制度がある」とし、「例えば「トンア(東亜)コンクール」や「チョンジュ(全州)大私習ノリ(伝統芸能を競う大会)」で優勝しても免除をしてくれる。チリのようなところに行ってクラシックギターで優勝をしても、札幌で行われるコンテストに行っても免除をしてくれるが、このようにいま、兵役に対する代替服務として恩恵を与えているものが42ある 」と指摘したという。

ソン政策委議長が述べた42の兵役特典制度は何だろうか?

現行兵役特例制度は社会服務要員、公衆衛生医師、芸術・体育要員などを含む計14だ。このうちソン政策委議長が言及した「芸術・体育要員」は、国威宣揚(こくいせんよう:国家の影響力を示し、高く評価して世に知らせること)及び文化創達に寄与した芸術・体育特技者に対する代替服務制度だ。彼らは34か月の服務期間中、既存の分野で活動しながら一定時間の特技関連奉仕活動(544時間)を履行すれば兵役義務を終えることになる。

また、軍人の身分であっても自由な外部活動と兼職が可能なため、事実上の「軍免除」制度という社会的認識が埋め込まれている。2018年アジア大会で優勝して基礎軍事訓練を終えた後、芸術・体育要員として服務中のソン・フンミンが代表的な例だ。

しかし、芸術要員と体育要員に区分される芸術・体育要員の編入基準はかなり厳しい。兵役法施行令第68条の11によると、国際芸術競技大会2位以上入賞者、国内芸術競演大会1位入賞者、国家無形文化財専修教育を5年以上履修した者に芸術要員編入資格が与えられる。体育要員の場合、オリンピック3位以上入賞者とアジア大会1位入賞者が対象だ。

1973年に初めて導入された芸術・体育要員制度はこれまで何度も改正された。1984年は国内外の芸術競技大会が「芸術要員編入認定大会」だったが、兵務庁は2011年に123の国際音楽競技大会を30に大幅に縮小したのに続き、翌年27にこれを再整備した。その後も2015年、2019年、2020年の3回にわたって編入認定大会を縮小した結果、現在は計42の大会(119部門)に範囲が大きく絞られた。

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2022.10.08