<WK寄稿>日本人が和牛、トロ、しゃぶしゃぶが好きな理由(仮説)?

皆さんの大好物である和牛、トロ、しゃぶしゃぶの共通した特徴は美味しいのは勿論、舌にのせるととろけるほど柔らかさにあると思います。

特にマグロの最上級の部位を“トロ”というのは言葉の通りとろけるほど柔らかいことから名づけられたそうです。しゃぶしやぶも熱い湯に浸してじゃぶじゃぶ(すすいで)食べます。

何故日本の方はアメリカや豪州産のように歯ごたえのある肉質でなく柔らかいものを好むようになったのでしょうか?説はいろいろあげられます。

まず考えられるのは殺傷禁止令です。

日本で本格的に牛や豚肉を食べるようになったのは明治維新以後からでそれまでは公式的に禁止(猪や雉など例外も)されてたためです。ですから固いものを千年以上も食べていなかったので顎が発達しにくく嚙み砕く力が弱かったという説。

韓半島でも仏教の影響で殺傷禁止令が出て肉食を食べなかった時期がありましたが、蒙古(元/騎馬民族)の影響や朝鮮王朝時代の儒教の影響で牛肉など肉食が盛んだったようです。そのお陰でしょうか、今も牛の頭から尻尾(牛一頭)まで調理する、つまり“食する(利用率)”はフランスの65%に対し韓国が85%だそうです。

今では日本の皆さんも食べるようになったホルモンや、テル、センマイ、レバー等内臓から尻尾まで大阪の韓国人が食べ始めて広がったともいわれています。その裏付けとして“ほるもん=捨てるもの=ホルモン、屠殺場で捨てていたものを調理したので”という未確認情報が定説として広がっています。

二番目にカルシウム不足。

日本の国土は四つのプレートの上に成り立っており、長い間そのプレートがぶつかり続けてきたので土地が盛り上がり、高い山や高低差のある川ができたという地理的環境です。隣国の韓国ではそのような地下活動が少なかったため高い山もなければ日本のような急流な川や地震もありません。

韓半島で一番高い山が北朝鮮と中国の境界にある白頭山で2744メートルで、韓国では南部にある智異山(一番高い所で1915m)と済州島にある漢ら山で1947メートルで2000mに達しません。これに比べて日本では富士山の3776メートルを始めとした2500メートル級以上の山が151もあります。この事だけでも日本と韓国の国土の違いがわかります。

豊臣秀吉軍が朝鮮に攻め入り僅か19日でソウルに攻め入れたのもこの平坦な国土も一因だったと思いますし、またそれぞれ江戸時代の地方自治制や朝鮮王朝の中央集権制度が根付いたのも高い山脈や急な川が往来を妨げたかどうかにかかっていたようです。勿論、他の要因も沢山ありますが…。
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2022.09.20