「合同インタビュー」映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』ピル・カムソン監督、シナリオ段階でファン・ジョンミンしか頭になかった

劇中、拘束されたファン・ジョンミンは誘拐犯にボコボコにされるシーンがあるが、それでも最後まで希望を捨てず決して屈服しない姿を見せてくれる。緊張感溢れる先の読めない展開が続き、始終ハラハラさせられるストーリー展開にも心血を注いだという。
「後半にいくに連れてどうなるのか予測できない展開にするというのが私にとってとても大切なポイントでした。予測を裏切るような形で物語を展開させながら、でも一方ではみんなが期待しているような地点を目指していきたいと思って努力しました。ですから、まるで遊園地でジェットコースターに楽しく乗って、最後にパッと降り立ったようなそんな気分になってほしいと思ったので、それと似たような気持ちを観客に味わってもらうために努力しました」

監督は高校生の頃、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』を観てから自分もその作品のように表現する映画を撮りたいと思うようになり、映画監督の夢を抱くようになったそうだ。本作のシナリオにも好きな監督の作品を参考にしたという。
「リドリー・スコット監督以外にマーティン・スコセッシ監督やコーエン兄弟の作品も好きで、日本映画も好きです。今村昌平監督の作品が好きで、今回の映画のシナリオを書く時もよく観ていました。中でも『復讐するは我にあり』が好きで、参考にしながらシナリオを書きました。それから俳優さんたちにも一緒に観ようと声をかけて、その映画に出てくる俳優の演技について討論しました」

最後に監督に韓国映画界の強みについて尋ねると、「強みと言えば、観客の皆さんの水準が高いことだと思います。観客の皆さんが要求してくる水準が高いので、作り手はそれに合わせるために努力するようになります。ですから、これまでにはなかった新しいものを常に探さなければならないので、観客の皆さんにはいつも感謝しつつ、恐れている気持ちもあります。観客の皆さんが求めているのはリアルさと共感なので、リアルさを追求しながら映画としての楽しみも一緒にバランス良く作らなければならないと思っています。観客の皆さんの存在が強みになっています」と伝えた。

極限の監禁状態からの脱出劇を描いた映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』は、9月9日(金)からシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー!

『人質 韓国トップスター誘拐事件』
【STORY】
唯一の武器、それは“演技力”―。犯人を騙さなければ、死!命がけの脱出劇がいま始まる!!
記者会見からの帰宅途中、ファン・ジョンミンが突然拉致された。パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したジョンミンは、自分が大金目当で誘拐されたことを知る。しかもゲームを楽しむように彼を誘拐した若者たちは、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件を起こした凶悪集団だった。

監督:ピル・カムソン
出演:ファン・ジョンミン『ただ悪より救いたまえ』イ・ユミ「イカゲーム」リュ・ギョンス「梨泰院クラス」
2021年/韓国/韓国語/94分/シネスコ/5.1ch/原題:인질/字幕翻訳:根本理恵/提供:ツイン、Hulu/配給:ツイン/G
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2022.09.05