<W解説>韓国・釜山万博誘致を目指し10月に「BTS」がコンサート=宿泊施設の法外な料金設定は改善されるか?

万博は会場の規模やテーマなどから、主に登録博覧会(登録博)と認定博覧会(認定博)の2つに大別される。最大規模の万博である登録博は、1995年以降は5年ごとに開催される。一方、認定博は5年ごとに開催される登録博の間に開かれる、比較的小規模な博覧会。開催期間は登録博が6週間以上6か月以内、認定博は3週間以上3か月以内と定められている。

韓国は1993年にテジョン(大田)国際博覧会(特別博)、2012年にヨス(麗水)国際博覧会(認定博)を開いているが、登録博の開催はこれまで一度もなく、それだけに釜山万博の開催実現は悲願でもある。

誘致に向け、広報活動をさらに強化しようと、誘致委員会は「BTS」を釜山万博広報大使に委嘱。その活動の一環として10月に釜山でコンサートを開くことになった。所属事務所が24日にこれを正式に発表すると、ファンからは歓喜の声が上がった。「BTS」は6月に今後ソロ活動を中心に行っていくことを発表。メンバーはここ最近、ソロアルバムを発表したり、イベントに出演したりしてきた。それだけに10月のコンサートはグループとしてのパフォーマンスが見られる機会だけに、SNSでは「何よりもメンバー7人そろったステージをやってくれることがうれしい」「7人を見られるのがうれしすぎ。本当に楽しみ」と歓迎の声が上がった。

こうした中、会場近くの宿泊施設は、宿泊料金を引き上げている。釜山市内のあるホテルでは、コンサート当日の10月15日の宿泊料金が、通常10万ウォン(約1万円)台の部屋が100万ウォン台に上昇。会場から20キロも離れた同市ヘウンデ(海雲台)区のホテルも急騰し、1泊100万ウォンを超えた。中には500万ウォン近くの料金設定がされてもいるケースもあるという。また、宿泊施設側がさらなる価格の上昇が見込めると踏んで、既に完了済みの予約を一方的に取り消し、価格を引き上げた上で再販しているという報告もある。ネット上では「(宿泊料金が)連休よりも高い」「昨日だけで3つの宿泊施設に予約を取り消された」などといった声が上がっている。

こうした状況を受け、釜山市は既に実態把握と指導に乗り出しており、30日に開いた会議では、取り締まりの強化を決めた。市は「コンサートの意味を薄れさせ、釜山のイメージを失墜させている」としている。

今回の事態を早急に是正しなければ、「釜山で万博を開けば、法外な値段で宿泊させられることになる」といった誤ったイメージがつきかねず、招致活動にも悪影響を与える恐れがある。

WOW!Korea提供

2022.08.31