「インタビュー」ソン・ガンホ「『非常宣言』は他の災難物とは違う…監督の努力はむだにならないと思う」

「宇宙+人」をはじめ、「閑山:龍の出現」「非常宣言」「HUNT」まで、韓国映画の大作が相次いで劇場公開される。ソン・ガンホは"夏の大戦争"に合流した感想を聞かれると、「韓国映画界に"恵みの雨"のような作品が紹介されている。口先だけでなく、心から、すべての作品が観客に愛されて認められるようにと願う。心を込めて作った多くの作品がコロナという暗い時期に紹介されて、光を見ることができなかった。競争ではなく、全ての努力が報われるよう心から願う」と語った。

ソン・ガンホが演じるイノは地上で間接的に災害を乗り越えるために努力する。「はじめは飛行機に乗る方の人になりたいと思った。イ・ビョンホンを見てうらやましいと言った。外に一度も出ないで、セットの中で演技してていいなぁ、と。だけどジンバル(回転台)を見たら本当に怖かった。地上にいるのがどれほど幸せかと思った」と言い、「私も地上でずいぶん苦労した。追撃戦も繰り広げて、雨でずぶぬれになった」と笑った。

実際、追撃戦を繰り広げて足をけがしたという。ソン・ガンホは「塀を越えようとして足をけがした。塀から落ちて、足を引きずりながらさらに追いかけるシーンなんだけど、足を本当にけがしていた」としながらも「真夏だったんだけど、みんな情熱的に頑張ってくれて、良いシーンが出来た」とスタッフの功を称えた。

「韓国映画の現場は安全にものすごく敏感だ。少しでも危険要素があるなら、何度もテストして安全に撮影する。その時も安全が確保された状態で撮影した。負傷は何でもないところでうっかり。塀を越える時、高い塀ではなかった。後ろにもマットレスを何枚も敷いてあった。軽々と越えていくはずだったんだけど、軽く考えていてけがをした」と話した。


映画には、娘と一緒に飛行機に乗ったジェヒョク役のイ・ビョンホン、国土部長官スクヒ役のチョン・ドヨン、テロ犯ジンソクに破格の変身をしたイム・シワンなど超豪華俳優陣が勢ぞろいする。ソン・ガンホは映画「弁護人」(2013)で共演したイム・シワンとの再会について、「映画『犯罪都市2』(2022)にソン・ソックさんがいるなら、『非常宣言』にはイム・シワンがいる。とてもすばらしくパワフルに演技してくれたので褒めた。尋常でない演技力を披露した」と絶賛した。

チョン・ドヨンについては「韓国最高の女優」とし、「いつも演技に哲学が込められていると思う。演技する前に、人物への哲学が深い。他の作品に比べて比重は大きくないが、国土部長官としての適切な線を良くとらえて見事に演じた」と加えた。

ハン監督とはかれこれ3回目になる。ソン・ガンホは「監督としての姿勢や態度が粘り強い。映画『優雅な世界』(2007)の撮影の時からとてもよかった。芸術家としての鋭い感覚、粘り強い情熱がある。若いけど、普段からたくさん学び尊重している」と話した。

ソン・ガンホは「『非常宣言』は、ハン監督の熾烈(しれつ)な努力と情熱がそのまんま収められている。イ・ビョンホン、チョン・ドヨン、イム・シワンをはじめ、俳優、スタッフの驚くような能力を、どの映画よりも自信を持って紹介できる。みんなの努力と情熱は、決して無駄な時間ではなかっただろう。何気ない日常の中で、気付かなかった大切なものを、改めて感じることができたなら、頑張って撮った甲斐があるだろう」と話した。

「非常宣言」は来る8月3日に公開される。

WOW!Korea提供

2022.07.27